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「チェルノブイリ(原題)/Chernobyl」−第1話〜第3話裏話

ここでは「チェルノブイリ(原題)/Chernobyl」のミニシリーズ第1話から第3話について述べていきます。元になっているのは脚本家のクレイグ・メイジンとNPRのピーター・スコットのトークです。

 

第一話

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                  wikipediaより

プリピャチという街はチェルノブイリ原子力発電所で働く従業員、その家族が住む街でした。市民の平均年齢は26歳!政府の手厚いサポートがあり理想の街でした。

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          エレベーター付きの高層マンション(wikipediaより)

 

公園や緑が多く、当時では珍しく屋内プールもありました。

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      事故後放置されたままの屋内プール (wikipediaより)

 

また他の街や村と違って、スーパーの棚にはきちんと商品が並び、物を買うのに長い列を作る必要もありませんでした。

原発事故が起こった次の日はとてもいい天気だったそうです。しかし、放射能が飛び交う中を、事故について知らされていない市民たちは、いつものように公園を散歩し、子供たちは学校へ行き、結婚式も行われていたそうです。また、ベランダで日光浴を楽しむ人もいたとか…。実際に撮影に使われた街は旧ソ連であったリトアニアの街で、当時に建てられた建物を使いました。

 

  • 1980年代の旧ソ連の人々の生活、ファッションなどを忠実に再現

当時旧ソ連で使われていた、靴の紐一本からホテルの装飾までを再現することに多くの力を注いだそうです。

第一話の最初の方に、主人公のヴァレリー・レガソフがペットの猫に餌をやるシーンがあります。当初は缶詰のキャットフードから餌を出すというシーンだったのですが、当時の生活を知る人によると、その頃旧ソ連にはペットフードなど存在しなかったそうです。エピソードでは餌はすでに皿にのった状態で出されています。

 

チェルノブイリ原子力発電所には全部で4機の発電所がありました。4号炉が大事故を起こした時、なんとその他の原発は運転を続けていたそうです。理由は旧ソビエト連合の3番目の大都市であるキエフに電気を送り続けなければ人々の生活から経済が破綻してしまう危険性があったからだそうです。2号炉は1991年、1号炉は1996年、そして3号炉は2000年に閉鎖されました。すべて原子炉が完全に解体されるのは2046年から2064年までの間とされています。

 

 第二話

  • 人口5万人ものプリピチャの住人達はどこへ避難したのか

4月27日午後2時、事故から36時間後、約1200台ものバスがキエフからプリピャチにやってきます。

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                   hbo.comより

 

住人達は2、3日で戻ってこられると言われました。持っていくことが許可されたのはスーツケース一つのみでした。しかし、結局住民達はプリピャチには戻ることはできませんでした。何人かの避難民の証言によるとキエフの近くにある冬用のスパリゾートのようなところに一旦避難し、その後、政府が近くに新たに建設した村に移りすんだそうです。そのため、避難者達があちらこちらに散らずにすみました。

 

5月1日は春と労働の祝日、メーデーのパレードが行われる旧ソビエト連邦、現在のロシアで重要な祝日の一つです。1986年ゴルバチョフは毎年行われるこのパレードを中止しませんでした。チェルノブイリから近いキエフミンスクでも官僚も含め子供達によるパレードが行われたそうです。その時はすでに世界中でチェルノブイリの事故が知られており、旧西ドイツでは子供を外で遊ばせることが禁じられていたにも関わらず…。

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                        1986年5月1日メーデーパレード in キエフ(TIME.comより)

 

第3話

  • 実際に存在する人物

消防士と消防士の妻は実際に存在する人物です。

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                                              hbo.comより

 

妻がモスクワの病院を訪れた時、夫の病室を教えてくれた医者がこう聞きます。「あなた妊娠してないでしょ?」と。

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                         express.co.ukより

 

彼女にインタビューをした脚本家のクレイグ曰く、実際に行われた会話は次のようだったと言います。

 

医者:「あなた子供いる?」

妻:「ええ、2人いるわ。」

彼女は嘘をついたのです。

いないと答えれば、放射能を大量に浴びた夫に会うことで一生妊娠できない体になると言われるし、妊娠しているといえば胎児に影響を与えることになり、結局夫に会うことができなくなります。子供が2人いると答えておけば、それ以上子供を産むこともないと思うだろうと考えたため、こう答えたと言っています。

 

当時放射能についての正しい知識を持つ人が少なかったこともありますが、被曝をして苦しんでいる夫を一人で残しておけない、死が近づいている夫と1秒でも長く一緒にいたいという妻の態度は、この番組の中で唯一「愛」が感じられるシーンです。

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参考サイト: