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史上最悪の原発事故「チェルノブイリ(原題)/Chernobyl」〜怖いですが、最後まで見てください!

高校時代のある日の「倫理」の授業で、教室に入ってきた先生がいきなりチェルノブイリの事故について語り始めました。爆発事故によって広範囲に撒き散らされた放射能は何百年、何千年も消滅しないこと。授業の前に東京電力に問い合わせ、日本の原子力の安全対策などについていろいろ質問したが、「我々の原発は安全だ」と言い張るだけで満足する回答が得られなかったこと。その時は、なぜこの先生はこんなに興奮しているのだろうと不思議に思ったことを今でも覚えています。

 

1986年4月26日、原発で働く従業員たちが住んでいた街、旧ソビエト連邦のプリピャチ(現ウクライナ)という村で午前1時23分45秒チェルノブイル原子力発電所4号炉の世界最悪の原子力発電所事故が起こりました。

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                hbo.comより

 

HBOで5月から放映されていた「チェルノブイリ(原題)/Chernobyl」は、この大事故を元に作られたドキュメンタリーミニドラマシリーズ(全5話)です。なぜあの大事故が起こってしまったのか、当時の国家体制と事故への対応、その後の状況などが、詳細に描かれています。

           youtu.be

 

監督は「ブレイキング・バッド」や「ウォーキング・デッド」のヨハン・レンク。主人公の旧ソ連原子物理学者ヴァレリー・レガソフを演じたのはジャレッド・ハリス(「マッドマン」「ザ・クラウン」などに出演)。

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                                             ruin my week より

 

この原子物理学者と共に奮闘するのが当時の旧ソ連副首相役のステラン・スカルスガルドです(「グッドウィル・ハンティング」「パイレーツオブカリビアン」「アベンジャー」などに出演)と豪華メンバーです。

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                 ruin my week より

 

第3話まで放映された時点で、アメリカのIMDb(The Internet Movie Data Base )ではテレビ番組史上最高評価で歴代第1位を記録しました。

 

大事故の事実を知るよしもない子供や大人たちが外に出て、まっすぐに天に向かって伸びる青く輝く光(爆発)を「綺麗だね」と眺めながら「死の灰」を浴びる姿がなんとも切ない…。

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                                                             bbc.comより

 

この大事故による莫大な損害が旧ソビエト連邦の崩壊を招いた大きな原因の一つだとも言われています。(1991年旧ソビエト連邦崩壊)

 

部下を脅すことで自分の指示通りに動かそうとする上司。そんな上司の間違いを「間違いだ」と言い返せず、仕方なくその指示に従ってしまう部下。

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                  hbo.comより

 

自分の出世と権力への固持や国の面目を守らなければならないというプレッシャーから生まれる嘘が国家や国民を壊して行く姿は、当時の旧ソビエト連邦だけでなく、現在のどこの国でも、組織でも起こりうることだけに、背筋がぞーっと凍りつきます。

 

バックに流れる静かな不協和音、危険を知らせるセンサーやガンガーカウンタの音がさらに不安と緊張を掻き立てます。

 

チェルノブイリ」の脚本家クレイグ・メイジンは「嘘から起こる多大なる犠牲」が大きなテーマだと述べています。

 

ある事実を隠すために人々が「嘘」をつくことを選択する時、そして人々がその嘘を信じることを選択する時、嘘をつき通そうとする陰謀が蔓延する。当分は平穏にすむが、最後にその嘘によって人々は大きな犠牲を追うはめになる。しかしその犠牲を追うのは嘘をついた本人(達)ではなく、多くの無実な人々なのだ。

 

ということを伝えたかったと述べています。

 

多くの人々が2011年に起こった福島第一の大事故を目撃しました。原発に賛成か反対かは別として、あの時あの内部で何が起こっていたのかという事実はまだ明確にされていません。この「チェルノブイリ」のミニシリーズのように、その事実が描かれるまで30年以上かかるのでしょうか? 

 

日本では2019年秋にスターチャンネルで放送配信されるそうです。

 

次回は脚本家のクレイグ・メイジンとNPRのピーター・スコットのトークから、「チェルノブイリ(原題)/ Chernobyl」の各エピソードの裏話やそれを元に旧ソ連について学んだ興味深い事実について書いていきます。ネタバレもあります。

 

参考サイト: