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インド映画「パッドマン」!

アメリカにはスーパーマンバットマンスパイダーマンが、でもインドには…パッドマン(PAD MAN)がいる!

 

今回は、今年インドでも大ヒットした映画「パッドマン(PAD MAN)」についてご紹介します。*パッド (sanitary pad)=生理用ナプキンの意味

 

「パッドマン」簡単なあらすじ

奥さんへの一途の愛が“生理用ナプキン革命を”を起こし、インドで5億人の女性を救ったといわれるアルナチャラム・ムルガナンサムさん(映画の中ではラクシュミ)の実話に基づいた映画です。

          www.youtube.com

ある日、生理が始まった奥さんが汚いぼろきれを生理用ナプキン代わりに使っているのを知ったラクシュミは、奥さんの健康を心配し、安価で清潔な生理用ナプキンを作る機械を開発しようと決心します。

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                  koimoi.comより

 

しかし、生理に関して話すことはタブーな村社会で、自分が作った生理用ナプキンを奥さんや、家族、医大に通う女子大生に試着してもらおうとしますが、とことん断られます。しまいには自分で女性用のパンティーを購入し、開発した生理用ナプキンをつけ、動物の血を使って実験しますが,結果は大失敗。村中の人から変態男(Mad Man)扱いされてしまいます…。

 

コメディーなので笑える場面がたくさんありますが、男女共々生理について正しい知識を持つことの大切さ、女性の社会進出/自立支援などの興味深い様々なテーマが盛り込まれている社会派映画なんです。最後は感動します!

 

ご本人のアルナーチャラムさんについて

アルナチャラムさんは2ルピー(日本円で約3円)で生理用ナプキンを作れる機械を開発し、2014年には雑誌TIMEで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれました。

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                    本人のアルナチャラムさん cbc.caより

 

凡人の私なら、ビジネスチャンス!と舞い上がるところですが、アルナチャラムさんは違いました。特許を取ろうともせず、インドの貧しい村を中心にこの機械を設置し、生理用ナプキンを普及させるために村の女性達に運営してもらうというシステムを作りました。

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                  BBC.comより

 

インドで最も貧しく閉鎖的な村では、女性たちの父親または夫からの許可を得ないと女性たちとは会話もできません。さらに生理用ナプキンを使うと目が見えなくなるとか、一生結婚ができないとか普通に信じられている村社会なのです。

 

このような場所では、女性達自身が他の女性達に生理用品を使うことを啓蒙することでしか革命を起こすことができないとアルナチャラムさんは考えたのです。

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               liveinstyle.comより

 

アルナチャラムさんの夢はインドの100%の女性が生理用ナプキンを使う国にすること、さらに田舎に住む女性たちの雇用を生み出すことを目指すことです。

 

アルナチャラムさんのお父さんは交通事故で亡くなっています。その後、子供達を育てるために、持ち物を全部売り払い、安い日給で苦労しながら働くお母さんを助けるために、アルナチャラムさんは14歳で学校をやめ仕事を始めました。この経験から、今後、自分のお母さんのような女性を一人でも減らしていくために、特に貧困に苦しむ村々の女性たちが夫や父親に頼らず生きていくために、女性たちの社会的自立支援が必要と考えたのです。

 

映画「パッドマン」の内容は本当なのか?

インド人(現在40代)の友人に「パッドマン」の映画の内容は本当なのかということを聞いてみました。

 

彼女はインドの南部ベンガルール出身。生理についての知識は全くなかったので、生理が始まった時はとても驚いたそうです。さすがに彼女は汚い布は使いませんでしたが、布を当てていたそうです。

 

映画では、生理がはじまると汚れた存在とみなされ、最低5日間女性達はベランダのような所で過ごさなければなりません。公の場に出て行かれないのです。女性の社会進出の大きな妨げにもなりますし、女性は父親や夫に頼らなければ生きていけない社会的にか弱い存在でしかありません。

 

私の友人は外には出されなかったそうですが、やはりキッチンにも入れず、部屋の隅で過ごさなければならなかったと言っていました。

 

インド社会における生理用品の使用状況

生理の期間中生理用用品(生理用ナプキン、生理用布、タンポンなど含む)の使用率

(2015年〜16年に行われたNational Family Heath調査 -対象年齢15〜24歳)

  • 都会に住む女性 78%
  • 田舎に住む女性 48%
  • インド全体 42% (うち16%が地元の機関/団体から支給された生理用品を使用)

この数字は学校教育を受けている比率に大きく反映しているそうです。12年以上学校教育を受けている女性のほうが、学校教育を受けていない女性の約4倍の率で生理用品を使う傾向があるという結果になっています。

 

WHOが2017年10月行った調査(インド35都市に住む女性からの回答)では次のような結果が出ています。

  •  生理がはじまった時、生理用品へのアクセスがない。43%
  • 周りにお客さんがいる時に生理用品を買いたくない 。36%
  • インド社会で生理について語ることはタブーだと感じている。40%

若い女の子の回答の中には「生理について質問があっても恥ずかしくて聞けないない」とか「生理用品をゴミ箱に捨てるのが恥ずかしい、だからトイレに捨ててしまった」という回答もあったそうです。

 

正しい知識を得ることができないため、噂を信じたり、不衛生でもそれに気がつかなかったりという問題も起こってきてしまっています。このことからインドでは生理に対する教育を積極的に行なっている学校やNGOも増えてきているようです。

 

最後に

アルナチャラムさんが現在でも行なっているこの活動は、開発者/起業者が利益を得るという”ビジネス”ではなく、世界を活発に、人々を幸せにしていくという何か新しい”活動”ではないかとも感じました。

 

「Pad man」は日本で12月7日から公開されます。

性別に関わらず、たくさんの方に見ていただきたいと思います。

「女性が輝く社会」を“叫ぶ”どこかの政府、女性の受験者の合格点を男性の受験者より高く設定しているというどこかの大学の人々、性教育に消極的などこかの教育委員会の皆さんには特にお勧めです!

 

TED TALKに出演したアルナチャラムさん

    bit.ly

 

参考サイト