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Netflix配信映画 〜「7月22日」〜 今年見た映画の中で一番パワフルでした。

先日、10月にNetflixで配信された「7月22日(22 July)」というものすごくバワフルな映画を見てしまいました!

        

           www.youtube.com

               

時期的(日本で「外国人労働者政策拡大」法案が“論議”されている最中)なこともあり、この映画からいろいろ感じることがありました。

 

脚本兼監督はポール・グリーングラスさん。「ユナイテッド93」や「キャプテン・フィリップス」など実話を元に多くの映画を撮っている監督です。

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            rottentometoes.comより引用

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                                           sonypictures.comより引用

簡単なあらすじ

舞台はノルウェー

 

2011年7月22日、ノルウェー人であるアンネシュ・ブレイビク(男性)によって連続テロ事件が起こされます。

 

ブレイピクは、まず、オスロ政府市庁舎の建物を爆破します。しかし、これは単なるおとりで、その直後、オスロから少し離れたウトヤ島に向かいます。

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          ウトヤ島:yohoonews.comより引用

 

その島では毎年、労働党の青年部に属する若者たち(主に高校生)が政治についての議論やスピーチ、スポーツなどの活動を通しサマーキャンプを楽しみます。(ノルウェー労働党は左派であり主に移民政策に寛容な党)当時の首相(労働党)も若い頃はこのサマーキャンプに参加していました。

 

オスロ政府市庁舎を爆破させたブレイビクは、次にそのサマーキャンプに参加していた若者たちに向けて、容赦なく銃を乱射します。最終的に政府市庁舎の爆破も合わせ、77人の命が奪われました。

 

若者たちを銃撃し続けるブレイビクと、必死に逃げ惑う若者たちのシーンはとてもリアルで凄まじく、なぜこんなにも冷酷な行動がとれるのか、同じ人間として恐怖感、憎悪感が湧いてくるほどです。

 

ところが、映画のメインはこれからなのです。

 

ブレイクビクが訴えたかったことは、ノルウェーの移民の受け入れと多文化主義という思想を一切禁止すること。そしてこの思想が正しいということを法廷で国民に訴え、それが実現するまで戦い続けることが彼の真の目的でした。

移民に寛容な態度をとる労働党の青年部のエリート達はブレイビクにとって、ノルウェーの将来を脅す人物達だと考えたのです。

 

この映画の主人公であるヴィリャル(労働党の青年部)もこのキャンプに参加しており、キャンプのメンバーの中で誰からも好かれていた存在でした。

 

彼はブレイビクに体5箇所を撃たれました。そのうちの一つが頭に当たり、手術をしてもその破片を取り除くことができず、いつ脳の重要な部分を傷つけて死に至るのかわからない状態で生きていかなければならない体になってしまいます。

 

リハビリによって、ヴィリャルは体の動かし方、歩くための足の動かし方を再び学ばなければなりませんでした。また、頭の中に銃弾の破片という時限爆弾を抱えながら生きる恐怖、将来の夢の喪失、親友の死など精神的にも肉体的にも非常に悩み苦しみます。

 

しかし、リベラルな思想、将来への夢を持ちながら強く生き続けることが、結局はテロリストであるブレイビクへの最高の復讐であり、銃に撃たれ命をたった親友達のためなのだということに気づきます。

 

その日から強い自分をブレイビクに見せるために懸命にリハビリに励んでいきます。

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最後のシーンはう〜んと唸ってしまうほど、非常にパワフルです。

 

現在日本にいる「外国人技能実習生」「外国人労働者」の状況が過酷すぎる!と叫ばれているにも関わらず、それを改善することもないまま、さらに新たに多くの外国人労働者を受け入れようとしている政治家一人一人にぜひ見てもらいたい映画です。

 

日本人の多くは、困っている人を見るとほっておけない優しい世話好きな国民です。日本へ旅行に行ったことがある人、在住経験がある人から日本や日本人について良いコメントをよくいただきます。

 

しかし一方で、少ないながらも、特定の国籍を持つ人々に対して差別的な発言をする人々が存在しており、大きな災害や事件が起こると、ヘイトスピーチフェイクニュース、デマなどが拡散しているのも事実です。

 

私が一番心配なのは日本人の中からブレイビク予備軍のような存在が生まれてくるかもしれないことなのです。

 

きっと日本政府は曖昧で不本意な条件の元で、外国人労働者法案を通すことでしょう。

 

夢を持って日本に働きにきたのに、日本語が理解できず、「移民」でないため何かあった時に守られるものがなく、精神的にいっぱいいっぱいになった場合、外国人労働者の方の逃げられる場所がなかったらどうなるかは容易に想像できることです。

 

そして、そんな方達に憎悪や恐怖感を持つ日本人も必ず現れてくるはず。

 

これは私のこのような映画の見すぎ、または考えすぎであればいいのですけど…。

 

最後に、ノルウェー連続テロ事件の直後の勇敢で素晴らしいツイッターのメッセーをご紹介します。

 

テロ事件の際、自宅にいた労働党青年部の一人のツイッター

「ひとりの男性がこれだけの憎悪をみせることができたのです。私たちが共にどれだけの大きな愛を見せることができるか、考えてみてください。」

 

生存者の一人、CNNのインタビューで:

「暴力は暴力を、憎悪は憎悪をうみます。これは良い解決策につながりません。私たちは、私たちの価値観のための戦いを続けます。」

 

この映画が上映されたことで、ノルウェーでは、移民、テロなどについての議論が再び激しくなっているとのことです。そろそろ私たちも真剣に議論するべき時なのではないでしょうか。

 

参考サイト:

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/5sns.php (ツイッターを引用)

https://ja.wikipedia.org/wiki/7月22日_(映画)

https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20180921-00097691/

http://agora-web.jp/archives/2035627.html