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油やで出会った素敵な写真家 〜真島ゆかりさん〜 について

9/27-10/8まで信濃追分文化磁場「油や」で、今年2回目のポップアップショップを開かせていただきました。

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油やに行かれたことがある方はお分かりかと思いますが、油やのスタッフの皆さんは温かくてユニークな方達ばかり。お一人お一人が素晴らしい経歴、技術をお持ちの方で、皆さんと同じ空間に居られたことが光栄に感じられます。

 

ここでお会いしたのが真島ゆかりさん。

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こんなことをいってはご本人に失礼かもしれませんが、親戚のお姉さんのようで素敵な方なんです。それでいて、時々出る柔らかい関西弁がとても可愛いのです。油やでは喫茶でおいしいコーヒーや飲み物を出してくれるのですが、実は美しい風景や草花の写真を撮られている写真家さんです。

 

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                 油やのHPより

 

真島さんの写真は「なぜこの瞬間が撮れたの?」と聞きたくなるほど、草木、風景が一番輝いている瞬間、撮ってほしい瞬間を撮っていらっしゃいます。

 

ですからどの写真も、うっとりさせられたり、ハッとさせられたり、またはこの後何かが起こるのではと、恐怖さえ感じる写真など見ていて飽きません。加工は一切せず、すべて自然の光を使って撮っていらっしゃるそうです。

 

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真島さんが写真家になられた過程は簡単なものではありませんでした。

 

真島さんが神戸の短大卒業後、たまたま待ち合わせをしていたお友達が電車に乗り遅れ、駅でそのお友達を待っている間、たまたまその駅で電車の写真撮影をしていた鉄道写真家の故真島満秀さんに、写真のモデルになってくれるよう頼まれたそうです。それがきっかけで、東京にある真島満秀さんのスタジオで働くようになりました。

 

写真スタジオで受付や、真島満秀さんのアシスタント、他会社との仕事をする際に、カメラ、写真のことを学ばなければと思った真島さんは一生懸命勉強したそうです。まさに実践においてカメラについて学ばれました。

 

ちなみに真島満秀さんはJTBの時刻表の表紙や、青春18切符のポスターなど、皆さんも一度は見たことのある写真を撮られていた、鉄道写真家の第一人者と言っても過言ではないほど有名な方でした。

 

その後、お二人は結婚され、軽井沢に移り住みました。当時の写真も見せていただきましたが、お二人ともとてもいい顔をされていました!

 

しかし、10年ほど前、真島満秀さんが急に亡くなったのです。現役のまま…。

 

真島ゆかりさんはあまりのショックで一歩も家から出られず、カーテンが閉め切られた真っ暗な部屋の中で、ずっとずっと涙を流されていたそうです。

 

そんな毎日を送って約3年、ひょんなことから油やで古本屋をされている斎藤さんと出会いました。「とにかく外に出て来なさい」と説得され、少しずつ油やのお手伝いしながら外に出られるようになりました。

 

それまで亡くなられたご主人の部屋に入ることができず、ご主人が使っていた物にも触れることができなかった真島さんが、ある日、ご主人のカメラのレンズをご自分が使っていたデジタルカメラに装着してみました。するとカチッとはまり、そのレンズをのぞいてみたら…

 

「夫はずっとこういう景色を見てたんだ…と思ったら、ポロポロ涙がでてきちゃったのよ。」と、貴重な瞬間について語ってくれました。

 

     それからです。真島ゆかりという写真家が誕生したのは。

 

「そのレンズをのぞいて、写真を撮っていると、ものすごく集中できてね。」

 

レンズを覗くと、その瞬間、周りのすべてがシャットダウンされ、写真を撮ることに没頭するのだそうです。

 

だから、一番いい光を捉えて、景色や草木の一番いい瞬間をとらえることができるのでしょうか。

 

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ご主人を亡くした悲しみからどのように立ち直れたのですかという質問に

 

「時間かな。それに周りにとてもいい人たちがいてくれたから。」とおっしゃっていました。

 

ご主人が亡くなられてとても辛かった頃は、このまま一緒にいってしまおうかとも考えたこともあるそうです。でも、前回、今回の油やでポップアップショップを開く機会を頂いたことで、輝くような写真を撮られる写真家であり、素敵な笑顔の人であり、おいしいコーヒーを入れてくださる元気な真島ゆかりさんに会えることができました。

 

ですから、ゆかりさんにぜひ言いたいです。悲しみと一生懸命向かい合い、生きることを選択してくれて、ありがとう!と。

 

油やという場所はこういう人に会ってみたいなと思っている方に会えることができる不思議な場所なんです。

 

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最近、真島さんが新しい写真集をお出しになりました。  

   

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軽井沢に咲く可愛い草花やそこにやってくる蝶々、美しい浅間山の姿などがおさめられています。油や常駐展示の太伊留屋(タイル屋)の重谷さんが写真にぴったりあった一文を添えていて、増版されるほどの人気の写真集です。油やか、下記のHPからご購入できます。ちなみに表紙を飾っているのは真島さんが可愛がっている猫ちゃんです。犬ではありませんよ(笑)。

https://oiwake.base.shop

 

(写真)

ご自身の写真と真島ゆかりさんが撮られた写真は、ご本人から提供いただきました。