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自然と宇宙の力をいただきながらワイン造りを行うPares Baltlàのワイナリー

スペインのワインというとラ・リオハ(La Reoja)州のワインがとても有名ですが、今回はバルセロナから車で30分程行ったところにあるベネデスという地域のPares Baltlàワイナリーが行っているツアーに参加してきました。ラッキーなことに、この日のこの時間は夫と私の二人とガイドをしてくれたRejinaさんの3人でした。

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               ガイドのRejinaさん

 

Parès Baltlàの歴史は1790年にまで遡ります。この年、最初のブドウの苗が植えられました。現在はエレナさんとマルナさん女性二人を中心に、質の高いワインとカバ(スパークリングワイン)作っています。

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      マルタさんとバイオダイナミックワイン造りに使う雌牛の角

 

また、オーガニック/バイオダイナミック農法でワインを作っており、そこが行っているワイナリーツアーがとても面白いんです。

              

このワイナリーツアーが他と違うのは、まず、いきなりJeepに乗せられてPares Baltlàの敷地内を飛びだし、ここのワイナリーが持つ山の中にあるぶどう畑に連れて行かれるんです。

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細いガタガタの山道を入っていくのですが、頑丈な車とRejinaさんの上手な運転に安心し、これから何が見られるのかとてもワクワクします。このツアーの目的はぶどうが育つ地形、土壌、風や太陽のあたりかたなど実際に目で見ることで、それぞれ違う場所に育つぶどうの特徴をより深く理解し、それがどのようにワインに影響しているかを知ってもらいたいからだそうです。

 

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もう一つPares Baltlàワイナリーの面白いところはオーガニック/バイオダイナミック農法を行なっているところです。

 

こちらのぶどう畑ではぶどうの収穫が終わると羊たちを放牧します。放牧された羊たちは残った美味しいぶどうを食べ、そこで糞をします。その糞がぶどうにとっていい肥料になるのです。また花が咲く時期にはミツバチを放ち受粉を行ってもらいます。

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          Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

Pares Baltlàが山中に持つ畑の一つにメルローのぶどう畑があります。そこではぶどうが熟すと、いつも野生動物のイノシシや狐などが出てきて食べてしまうのだそうです。だからといって、ワイヤーで囲ったり、罠を仕掛けたはしません。「動物たちまでが食べたくなるほど美味しいぶどうなのよ」と言い放ってしまうのは驚きです。人間のためだけに自然の流れを滞らせないんですね。

 

ここまでは“ふん、ふん”と納得しながら聞いていたのです。次に、ガイドのRejinaさんが牛の角を取り出しPares Baltlàが2010年から行っているバイオダイナミック農法について説明してくれました。

 

Wikipediaによると、バイオダイナミック農法とは「天体の動きなど宇宙との関係に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行い、自然そして超自然との調和を目指す」というルドルフ・シュタイナーという方が提唱した独特な農業です。

 

バイオダイナミック農法にとって重要なのが雌牛の角。これに新鮮な糞を詰め込み、冬の間土に埋めます。半年後(農業暦)角を掘り出し、雨水を入れて時計回りに混ぜ、次に反時計回りに混ぜるというのを何回も繰り返します。そしてそれを肥料としてぶどう畑に撒くのだそうです。

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                                      Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

???とクエスチョンマークが頭の中に浮かびました。葉の剪定、受粉もすべて農業暦に従って行うそうです。しかし、バイオダイナミック農法を始めてから明らかに土壌もぶどうの木も健康になり、ワインの質も上がっているということですから、科学では説明できない何か宇宙的な大きな不思議な力が働いているでしょう。

 

2時間後Pares Baltlàのワイナリーに戻り、施設内を見学し、いよいよ試飲。

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まずは白ワインから…。

香り、味を楽しんでいると、フォックス川のそばのゴロゴロした石の土壌に育つぶどうの景色と土壌が目の前に浮かんできました。すっきりとしたミネラルな香りと味わい、ちょうど良いの酸味。さっぱりとした後味。ワインの質は十分といっていいほど高いです。

        

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   Cosmicの白ワイン(上)、フォックス川のそばのぶどう畑の土壌(下)

                                        Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

Pares Baltlàは宇宙という想像もつかない大きな世界の中で不思議なエネルギーをいただきながらワイン造りをしているワイナリーです。

 

さらに特別な経験をさせてくれたガイドのRejinaさんは「この仕事をしていると、毎日自分が無知であることに気づかされるの。だからもっともっとワインについて学びたいという思いでいっぱいになるのよ」と仕事が楽しくてしょうがないのだそうです。

Pares Baltlàで働く人々のワインへの情熱、同時に自然への畏敬の念がここのワインの味わいを一層高いものにしているのでしょう。

 

−Pares Baltlà−

https://paresbalta.com/en/vineyards/

ツアー時間:2時間半〜3時間ほど(要予約)

 

(参考ウェブサイト)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ルドルフ・シュタイナー

https://vinepair.com/articles/biodynamic-wine-explained/ (雌牛の角と糞の写真)