ひとったび -人と旅と物語-

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Gradirripas 〜cutting boards made in ポルトガル〜 

前回、ポルト一人旅をご紹介しました。何回かポルトを訪れた理由の一つは、木材からまな板、器や、ワインボックスなどを5世代に渡り製作しているGradirripasの工場を訪れるためでした。

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初めてポルトを訪れた際に、単に可愛いと思って購入したGradirripasのまな板だったのですが、いろいろ調べているうちに、この人たちに会いに行きたい!と思ったのです。実際にお会いしてみたら、とても素敵なご家族でした。

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最近ポルトガルの特に若者の間のトレンドとして2つの大きな動きがあるということを色々な人から聞きました。1つ目は、自分の国や文化を振り返り、それを守りながらも新しい物・考えを発信していくという動きです。これはレストランや、ショップを見ていても感じることです。2つ目は、値段が多少高くても環境に優しい製品を作る企業の商品を買い、末長く使っていこうという動きです。

 

2つ目の動きによって経営をたち直すことができた良い例が、Gradirripasです。ポルトから電車で2時間ほどいったPernesという街からさらに車で30分行ったところに、Gradirripasの小さな工場があります。村中の人が昔からお互いを知っているというような街です。そこで2年ほど前、仕事を辞めGraddripasを継ぐためにこの小さな村に戻って来たお兄さんのミハエルさんと妹さんのテレサさんにお会いしました。(日本でいうUターン就職です。)

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昔、この辺りはGradirripasのような木製品を作る工場がたくさんあったそうです。しかし、海外から安いプラスチック製品がどんどん入って来たことで、工場は次々と閉鎖されていきました。Gradirripasも、この危機に直面しました。しかし、ミハエルさんとテレサさんのお父さんは、ここで工場を閉めてしまったら村のコミュニティーが完全に消滅してしまうと、借金を抱えながらも頑固に経営を続けていたそうです。 

 

Gradirripasはサステイナビリティーシステムを以前から採用しています。素材となる木材は、伐採した木の本数と同じ数の新しい木を植えていくというルールを厳重に守っているサプライヤーからのみ、材料を購入しています。また熟練の職人によって作られたGradirripasのまな板や他の製品は、きちんと手入れをすれば末長く使える商品です。

 

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転機が訪れたのは10年程前のことです。一つはイギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリバーが5世代続く家族経営の小さな工場で環境に優しい製品を作り続けているGradirripasの話を聞き、このまな板を採用しテレビで使ったこと。もう一つは環境について語るだけでなく、環境にいいことをしようと実際に行動を起こす人達、特に若者が増えてきたことです。彼らは安価な製品を頻繁に買い換えるよりも、環境に配慮したGradirripasのような企業の商品を積極的に購入し長く使っていくことが環境に優しいと気づいたのです。この2点により、Gradirripasの商品が多くのマスコミに取り上げられ、経営を立て直すことがきました。

 

最後に、お二人に将来の夢を聞いたところ、次のように語ってくれました。

「私たちはとても大きな責任を背負っています。Gradirripasが成長していくことでこの村全体も潤うようになるんです。これからも今ある商品を丁寧に作りながら新しい商品も開発していきたいと思います。」

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訪れたGradirripasの工場には閉鎖された工場から引き抜かれた熟練の職人の方もいらっしゃいました。

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Gradirripasは小さな村にありながらも、商品のこと、コミュニティー全体のこと、そして環境のことを考えながらものづくりを続けている、器の大きな会社でした。