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インド映画「Toilet - Ek Prez Katha (トイレ - ある愛の物語)」

日本からインドへの飛行機の中で、ボリウッド映画「Toilet- Ek Prem Katha (トイレ – ある愛の物語)」を見ました。恋愛コメディー映画です。そしてボリウッド映画には欠かせない、歌とダンスももちろん入っていますよ。

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                                              acbatime.comより

 

〜簡単なあらすじ〜

36歳独身で田舎で自転車屋を営むケシャブが、都会に住む教養のある女性ジャヤと電車のトイレの前で出会い一目惚れをしてしまいます。(確かに綺麗な女優さんです)

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        ジャヤ役のBhumi Pednekarさん hidustantimesより

 

とにかくこの二人なんとか結婚するのですが、初夜の夜明け前、ジャヤは村の女性たちから一緒に歩いて村はずれまでトイレをしに行こうと誘われるまでケシャブの家にトイレがないということを知らされていませんでした。

 

これは宗教上の理由から家にトイレを置くことは不浄であり、この村にはトイレがずっとなかったのです。男性は地球上がすべてトイレ。しかし、女性は夜明け前にだけみんなで連れ立って、草むらの中で用を足さなければなりません。日中は我慢するのが当たり前だと思っているのです。

これに対してジャヤは「家にトイレがないのを知っていれば、結婚なんかしなかった!」と怒ります。

 

ケシャブは最初ジャヤがどうして家にトイレがないことに怒っているか理解できませんでした。しかし、なんとかしてトイレの問題を解決しようとあの手、この手をつくしますが、献身的な宗教家であり、迷信深いケシャブの父をはじめ、村の人たちに「なぜ俺たちの文化や伝統を尊重しないのか!…私たちの祖先は家にトイレを作らなかった。だから私たちもいらないんだ。」と反対されます。さらに女性達も外で用を足すのを重要な問題だとは思っていないと相手にしません。

 

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                  IndieWireより

 

とうとうケジャブは、毎日当たり前のように村のはずれまで用を足しに行く女性達に訴えます。「男は家の裏には用を足しているのよ。私たちは妥協して当たり前だと思われている…女性はトイレに行く権利もないの?元々は彼らのせいだけど、でも今は(それを当然だと思っている)私たちのせいよ!」

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                 IndieWireより

 

この訴えを聞いた女性達の反応は「教養があるのって、うるさいわね…。」でした。

さて、ケジャブは妻ジャヤのためにトイレを作ることができるのか…。

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飛行機の中なのに、大声で笑ってしまった場面がたくさんありました。

でも、よく考えるとこの映画かなり深い内容なのではないかと思わされるようなセリフがいくつかあります。

 

トイレを作ろうとして苦戦している(確か)ケジャブのセリフ:

「個人的な問題とならない限り(人はその問題に対して)戦おうとしたり、解決しようとはしない」

「文化に打ち勝つのは簡単じゃない」

 

ケジャブの父親がケジャブの行動に呆れ、「苦労して育てたのにこんな男に育ってしまった」と言ったのに対するケジャブのセリフ:

「そうさ俺は父さんに男として育てられた。だから女性のことを考えたことがなかったんだ。」

 

インドのモディ首相は「インドの街をきれいにする」ことを掲げ2019年までに1億2000万家庭に専用トイレを設置し、小中学校のトイレや公衆トイレを整備すると言っています。

 

インドではトイレがないため、夜草村で用を足さなければならない女性がレイプにあったり、生理中は不登校になる女子学生など深刻な問題も多々起こっているのです。

 

この映画を見るまで、家にトイレがないのはただ単に貧乏な人たちだけかと思っていたのですが、宗教、迷信、伝統がトイレを作らせない理由となっていたことには驚きました。

 

しかし、インドって変わってるなあ、トイレが作れないなんてありえない、アハハ!で終わる映画ではないのではないか、と感じました。

 

今の日本にも、当てはまることがたくさんあるのでは……と思います。

 

例えば、夫婦別姓、育休を取ること、子供をもたないという選択、男だから女だからという伝統的な考え方、持って生まれた性と心がマッチしない人への法的・社会的対応などなど。

 

昔からそうだったから、自分の時はそうじゃなかったという理由で、それは間違っているとか、それに対して声をあげる人に「うるさい人、問題を作る人、変わった人」と言う、またはちょっと呟いたことで大炎上!こういうことって日々起こっていることではないでしょうか。

 

だからこういう選択肢もあってもいいんじゃない?、これってとても苦痛なんだけどと思ったら声をあげましょ。そして、そんな声を聞いたらすぐにそれがあっているのか、間違っているのか判断するのではなくて、もし自分がその立場だったら…と少し考える、想像する時間を持ってもいいと思うんです。100年間続いてきたことでも、もし自分がそんな状況だったらと想像することで、結構見えないものが見えてくることもありますから。

 

「Toilet -ある愛の物語」、日本で上映されたのかどうかはわかりませんが、機会があったらぜひ見てみてください。

 

参考文献

https://www.huffingtonpost.jp/foresight/clean-india_b_6137086.html

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11/post-8854_2.php