ひとったび -人と旅と物語-

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#makeyoucitysafe

 夜道や、会議中、または車内に女性(または男性)は私一人だけだ…と、ふと気が付き、ちょっとした恐怖心を感じたことがある方は少なくないでしょう。

 

先週末、Srishti Bakshiさんという女性にお会いしました。今回はSrishtiさんが今まで行ってきた活動について、皆さんに共有したいと思います。

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          男女平等(=)のポーズをとるSrishtiさん(真ん中)

 

Srishtiさんは260日かけてインドを縦断(インドの南部カニャクマリ〜北部のシュリーナガルまで)し、合計3800km歩きました。1日約25km歩き、訪れた街や村で女性グループ、小学校、警察などを訪れ、1日100人以上の人々と出会い、主に以下の3項目について話をし、議論を交わしてきました。

  • インドを女性や少女達がいつでもどこでも安全に歩ける社会にしていくこと(#makeyourcitysafe)
  • 田舎に住む女性達に会い社会的自立の重要性を説くこと
  • 男の子も女の子も子供の頃から平等に育てることの重要性を理解してもらうこと(インドでは文化的に男の子の方が重宝がられるため)

 

さらに、村々で女性がインターネットやSNSを使ったビジネスの成功例などを上げ「女性が社会的に強くなるためには、経済的に自立し自信を持つことが必要」というテーマについてワークショップを行ってきました。

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特に女性がリスペクトされない主な理由の一つとしては、暴力を振るう環境で育った子供達はそれが当たり前のこととして捉えてしまい、将来自分も同じことをする可能性が非常に高いからだそうです。このことからSrishtiさんは小学校でのワークショップでは、「もし君たちのお父さんがお母さんをぶったり、蹴ったり、またはひどいことを言ったりすることは、決してやってはいけないこと。そんな状況に出会ったら、間違っていると声を上げなければならないんだよ。」ということを話してきました。

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Srishtiさんは以前、香港の大手企業で働くキャリアウーマンでした。よく同僚や取引先の人から「インドは美しい国だけど、安全じゃないからあまり行きたくない」とよく言われたそうです。

Srishtiさんがこの活動を行おうという決意に至ったのが、2016年に母と娘が集団レイプされたという事件。Srishtiさんは家族と一緒に公共の場にいってもインドでは危険な国なんだと、とても大きなショックを受けたそうです。このことについて母国の家族や友人とも話したのですが「結局、私たちには何もできない。」というコメントばかりでした。Srishtiさんはこの時、自分が行動に移さなければ何もかわならないと思い、この活動をすることを決めました。

 

そして先週末Volvo Car Indiaなどがスポンサーとなり、最後に歩くこととなった街ムンバイ(旧ボンベイ)で私もそのウォーキングに参加させてもらったのです。

     

                    www.youtube.com

 

このイベントに参加していた女性達にも話を聞く機会がありました。そのうちの一人は

「男性が多く集まる場所や夜道は危険だからといって、そこに近づくのを避けたり、家に引きこもっていては何も変わらないでしょ。女性同士が協力しあい、そして自信を持って声を上げていけば、少しずつでも何かが変わるはず。あとは男性も変わらなければならないわ。女性への暴力やレイプは犯罪という意識を持つことね。」と話してくれました。

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                             dnaindia.comより

さらに、このイベントに多くの若い男性も参加していたことに驚きました。20代ぐらいの男性に、なぜこのイベントに参加したのかを尋ねてみました。「僕にも女兄弟がいるんだ。この件については男性も変わっていかなければならないし、男性だからこそ男女平等に声を上げていかなければならないと思ってね。」と、彼をだきしめたいくらい感動する意見を聞くことができました。(抱きしめなかったのは湿度80%近くの中、1時間ほど歩き汗が滝のように流れていたからです。)

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                 Red boys Foundationのtwitterより

 

最後に、Srishtiさんはインド縦断を終えた後、笑顔で感想を述べてくれました。「多くの人々と言葉を交わすことでどれだけの人の人生を変えることができたかはわからないけど、たくさんの方々からコメントや電話をもらうたびに、自分がやっていることは間間違っていないという確信は持っているの。でも変化は時間がかかるもの。この260日間一つ一つのタネを丁寧に植えてきたの。タネが芽を出し花が咲くのを今は待つわ。」と。

 

Srishtiさんが一歩踏み出したことで、女性や少女達のために社会を変えていこうと多くの人が賛同し、行動に移すというインド人のパワーを感じさせられました。間違っていることに対してしょうがないとあきらめるのではなく、声を上げていけば、時間はかかるけど社会はいい方向に変わっていくのだという事実を目の当たりにした貴重な体験でした。