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伝統や常識にとらわれず夢に向かって生きる女性 〜ザラさん〜

こちらはザラさん。

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ザラさんは私のお気に入りだったメキシカンレストランで働いていた私のお気に入りのウェイトレスさん。(残念ながら先月末で閉店)彼女が薦める料理はすべてGOOD!。2回目訪れた時は、私と夫の名前と前回注文したものも覚えていてくれていました。

 

ある日、ザラさんから「客船クルーズのスタッフとして採用され、7月頃にはインドから離れる」ということを聞きました。ザラさんの小さい頃の夢はフライトアテンドになって色々な国を訪れることだったそうです。飛行機と船の違いですけど、とにかく夢がかないました。そしてザラさんの家族の中で外国を訪れる一番最初の人がザラさんなのです。

 

しかし、その道のりは簡単なものではありませんでした…。

ザラさんの家族はイスラム教徒。女性であるザラさんが家の外で働いたり、結婚する前に普通の男友達とカフェでおしゃべりしたりするのも以前は家族に反対されていました。

 

インドでイスラム教徒の女性として生きるということ、ザラさんのように将来の夢を持つこととはどういうことなのかを話してもらいました。

 

昔から新しいことに挑戦するためには必ずご両親の許可が必要だったそうです。

常に、女の子がそんなことするんじゃないと反対され、ザラさんは自分がやりたかったことを何度も諦めてきたそうです。例えば、足が速かったザラさんは学校の陸上クラブに入りたかったのですが、親の反対で断念。合唱部に入るのも親の反対で断念。何度も反対されているうちに、ザラさんはある日ふとこう思ったそうです。

    なぜ人生一回きりなのに、自分のやりたいことができないのか…。

 

ザラさんのお母さんは12歳で結婚。ザラさんの兄弟、親戚、友達も若くして結婚し、子供を生んでいます。ザラさんは「それが彼らのやりたいことなら心から祝福するわ。でも自分の夢や将来どうしたいのかを考えることもなく、誰からも聞かれることもなく、周りが結婚し、子供を産んでいるからという理由でそうしているのなら、将来何をしたいのか一旦立ち止まって考えるべきだと思う。」と言っています。

 

「家族みんな大好きだけど、今の自分を幸せと思っている人が少ないのが残念」。彼らのような人生は絶対送りたくないというのが、ザラさんが夢に向かって生きていく糧となっているようです。自分が幸せでなければ、周りの人を幸せにできないというのがザラさんの信念です。

 

ザラさんは古い伝統や常識にとらわれず、自分の夢に向かって一生懸命頑張りたいということを、長い時間をかけてご両親に説得してきました。そして最近、やっとご両親が理解をしてくれて、ザラさんをサポートしてくれるようになり、「やっと肩の荷がおりたような感じ」だそうです。またザラさんがすっかり忘れていた小さい頃の将来の夢を思い出させてくれたのはお母さんでした。

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ザラさんは現在25歳。インドのイスラム教徒の女性としては、すでに結婚し、子供を生み、子育てをしている歳だそうです。

親戚からは、「まだ結婚しないのか。」「ザラはちょっとおかしいんじゃないか。」と言われると苦笑いしていました

 

インドから出ることはザラさんの家族にしか言っていませんが、本人がそれで幸せなのであればとみんな喜んでくれているとのことです。お母さんは親戚や近所の人にはなんとか言って繕っておくと言ってくれたそうです。

 

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最後に、ザラさんの将来の夢について聞いていました。

 

一つはご両親に家を買ってあげること。今の家でもいいのだけど、もう少し広い家を買ってあげたいのだそうです。

 

もう一つは、結婚するかどうかはわからないけど、結婚しなかったら、女の子を養子にとって、彼女が将来やりたいことをサポートできる女性/母親になりたいそうです。

 

そして、「一人でも多くの女の子が私の姿を見て、夢を持っていいんだということをわかって、それに向かって頑張ってくれたら嬉しいわ。」と語ってくれました。

 

ザラさんのように、自分たちを縛り付けるような伝統や習慣を変えていこうという女性がインドにはたくさんいて、そのうちの一人、ザラさんに会えたことは私にとって、とてもラッキーだと思います。

 

ザラさんが色々な人や色々な国を見て帰ってきた時、どんなことを話してくれるのか今からとても楽しみです。