ひとったび -人と旅と物語-

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リサイクルセンターの未来図

Philotradeは商品を取り扱う前に、生産者と会い商品についていろいろお話を聞きます。そしてできればアトリエや工場、さらにその素材がどこからくるのかなど見学させてもらっています。

 

    〜バッグの素材となる革を供給している

         ヘルシンキのメトロポリタンリサイクルセンター〜

 

2016年の冬、Loviaのスタジオを訪れた際、バッグの素材となる革を供給しているヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターを見学しました。リサイクルセンターがヘルシンキ市民、コミュニティー、そしてLoviaのような斬新な企業を巻き込んでリサイクルに取り組んでいることにとにかく驚きました。

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リサイクルセンターのスタッフの方々が作業を行なっているスペースへのドアを開けると衣服、家具、食器、本、おもちゃ…色々な物が入っている何百ものダンボールや大きなカートが見渡す限り置かれています。

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ここで16年勤務している環境管理者マリアさんがリサイクルセンターの社会的な役割、市民との関わりについて詳しく説明してくれました。

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「私が環境経営を学び始めたころは、環境について語るだけで眉をひそめられたものよ。でも今は自分の仕事を誇りに思うわ。」と言っていました。

 

リサイクルセンターとコミュニティーとのWin Winな関係

マリアさんは大学で環境経営、洋裁、ビジネスの3つの学位を取得しました。この職場はマリアさんにとってこの3つの学位が全て活かせる夢のような仕事だそうです。

 

ヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターは市民が使わなくなった物を持ち込む場所だけではありません。商品の状態がいい物はリサイクルセンターで再び商品として売られ、その売り上げの一部は環境教育の資金として使われています。学校で使えるような教材、本、ゲーム類は市内の学校とつながっているリンク上にリストとしてアップされます。学校はリストの中に欲しいものがあれば無償で受け取れるそうです。

 

中古製品の再利用素材を利用して作られた「PlanB」という粋でおしゃれなオリジナルブランドをたちあげ子供服、雑貨、家具などの販売や展示会を行っています。

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        (ヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターのHPより)

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        (ヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターのHPより)

PlanBの商品を作っていた女性は、以前、オフィスワークをしていたそうです。今は色々ある再利用素材から何を作るか考え、世界に一つしかない家具や洋服を作り上げるのがとても楽しいと話してくれました。

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環境教育プログラム

マリアさんが指揮する環境プログラムはおよそ3万人の子供から大人、教育者に無駄の減少、持続可能な消費方法について教育を行っています。

 

以前に比べたら多くの人がリサイクルをするようになったそうです。

「着なくなった服や使わなくなった家具をすぐにリサイクルセンターに持って来て欲しいの。そうすれば中古品であっても質がいいし、もっといろんなものに再利用ができるの。だから長い間保管せず、どんどんリサイクルセンターに持って来てもらいたいわ。」

マリアさんは、もっと多くの人にリサイクルについて知ってもらうためにこれからもやらなければならないことがたくさんあると語っていました。

 

雇用を生む場所

ヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターでは毎年800人ほどの人を雇用しています。中には長期間失業していた人、障害者、フィンランド語学習者、職業研修者などとても様々な背景を持った人がいます。マリアさんは現在15人ほどいるチームのリーダー。チームのスタッフ一人一人が滞りなく仕事ができるように常に気を配っていました。 

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こちらのホームページには「ボランティアのためのページ」があります。そこには以下のようなことが書かれていました。https://www.kierratyskeskus.fi/in_english/volunteer_at_reuse_centre

 

  …職場での会話はフィンランド語で行われるので
   フィンランド語の基本的な知識、会話能力が必要です。
   しかし、フィンランド語ができなくても
   英語ででき
る仕事もあります。例えば…

  →ハンドクラフトサービス

  →イベントのヘルプ…

  Language Buddyシステム

  フィンランド語は少し話せるけど、職場で働くには
  あまり自信がない
方には最初の数回Language Buddy
  (言語ヘルパー)が付き、あなたと
一緒に作業を行ないます。
  フィンランド語を上達させたい方にはお薦め
ですよ。

 

フィンランド語が話せない人、まだフィンランド語で働く自信がない人にフィンランド社会に入っていく扉をこのように開いてくれる、なんて嬉しいシステムなんでしょう!とこれを見た時一人で感激してしまいました。

 

Loviaの素材について

リサイクルセンターに持ち込まれた革のジャケットや毛皮は、マリアさんのスタッフによって素材の質を綿密にチェックされ選別されます。選別された素材はLoviaのデザイナーのオウティがアトリエに持ち帰り再びチェックされます。使える素材はリサイクルセンターに戻され、Loviaで使用される部分は丁寧にハサミで切り分けられます。

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他の部分はPlanBの商品を作るために使うボタン、ファスナーなどが取り外されます。切り分けられた素材はオウティが最終的な点検を行いLoviaのアトリエへ戻されます。ここでリサイクルセンターに持ち込まれたレザージャケットや毛皮に新しい命が吹き込まれるのです。

 

日本のリサイクルセンターへ提案

日本のリサイクルセンターがこのヘルシンキメトロポリタンリサイクルセンターのようになればいい!と心から願いますが、そう簡単にはいかないのも理解できます。

 

日本にもたくさんリサイクルセンターがあり、ホームページを見ると「リサイクルセンター講座」、「ミニリサイクルマーケット」など様々なイベントを頑張って行っているセンターも多いです。

 

しかし、みなさんの中にリサイクルセンターに行ったことがある、何か購入したことがある、講座に参加したことがある、友達に薦めた!という方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

 

市民や企業にゴミを減らしましょう、リユースしましょう、リサイクルしましょうと呼びかけ教育し続けることも重要です。しかし、リサイクルセンターも我々を何かワクワクさせるような場所になってもいいと思います。

 

そこで一つ提案です。リサイクルセンターに持ち込まれるものを使い、そこに新しい命をふきこむという「リサイクルデザイナー」という職業があったらどうでしょう。(すでにあったらもっと外に出てきてもらいたい。)多くの人が欲しがるような、家に置きたがるような、着たがるような物をデザインし、作るという夢のような仕事です。

 

世界に一つしかない商品を使うことがかっこいいという社会になれば、もっと多くの人がリサイクルするだろうし、リサイクルセンターももっと活気付くのではないでしょうか。そうなることで使い捨てしたくならない、またはリサイクルがしやすい商品を作る企業もでてくるのではないかという希望も湧いてきます。

 

先日Loviaのインスタグラムにフィンランドグラミー賞の会場で有名歌手のLaura VoutilinenさんがLoviaのバッグをもってレッドカーペットを歩いている写真がアップされていました。

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              (Loviaのインスタグラムより)

社会に影響を与える人々もエコ、サステーナビリティーという理念を持つ企業に賛同し、その商品を公で使って見せるということもフィンランドでは当たり前のことになっているようです。

 

Philotradeにできること

Philotradeが扱いたい商品、企業の特徴の一つに「環境に対する意識を持つ」とあります。Loviaをはじめ、The Wren Designはリサイクルセンターに持ち込まれた商品、リサイクルペーパーまたは廃材を素材とし、買いたくなる、使いたくなる、家の置きたくなると思わせるようなユニークでかっこいい商品を作っています。これからもこういった企業の活動、商品をみなさんと共有していくと共に、声高に宣伝していくつもりですので楽しみにしていてください。