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面白いインドの選挙事情 - インドの下院選挙2019で学んだこと

5月23日(木)、2019年インド総選挙の結果が発表され、現職のナレンドラ・モディ首相が率いるインド人民党(BJP)の圧勝でした。

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インドの下院総選挙は5年ごとに行われます。選挙権が与えられるのは18歳からで、今年初めて選挙をする人は約8400万人。そして今回の有権者数はなんと9億人と言われています。(ちなみに2017年のデータによると、EU加盟国28カ国の総人口は約5億人。)選挙委員会によると2019年総選挙の投票率は67.1%と最高の投票率だったそうです。

 

今回はインドの選挙は日本とは異なることが多いため、2019年インドの総選挙について書きたいと思います。

 

インドの長い投票期間

2019年3月10日、選挙管理委員会によって選挙日のスケジュールが発表されました。投票日は選挙区毎に7つのグループに分けられ、4月11日〜5月19日の6週間の間にグループ1から順次に実施されます。

 

例えば、ムンバイはグループ4なので、ムンバイの選挙権を持つ有権者達は4月29日(月)に投票します。またデリーはグループ6に所属しているため、5月12日(日)が投票日となります。

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             timenownews.comより

 

投票したという印

投票をし終わると、その証明として(基本的には)左手の人差指の爪の部分に消えないインクがつけらます。一人の人が何回も不正に投票することを防ぐためだそうです。

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               yourstory.comより

1962年以来、インドの企業Mysore Paints & Varnishが極秘の化学処方で製造しているそうです。通常新しい爪が伸びるまで、石鹸で洗っても何をしても落ちないインクですが、健康に害は一切ないとのことです。が!今回の選挙では、除光液で落ちちゃったわ!」というTwitterがあいつぎました。  

    

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Dry Day…

インドではDry Dayという日が年間に約25日前後あります。Dry Dayとは酒屋、レストラン、ホテルなど公共な場所でのお酒の販売が出来ない日をいいます。

 

たいてい、宗教の神様の誕生日、例えば、シバ神の誕生日(3月4日)、マハトマ・ガンジーの誕生日(10月2日)クリスマス(12月25日)などがDry Dayとなります。

 

これを知らないと、レストランに行ってもビール、ワインが注文できず、がっかりすることになりますのでご注意を。

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今年は通常のDry Dayに加え、投票日の投票終了時間(午後6時)の48時間前から投票終了時間まで、そして開票日(5月23日)の24時間がDry Dayでした。

 

例えば、デリーは5月12日(日)ですから、10日午後6時ごろから12日の午後6時ごろまでお酒の販売が禁止でした。

 

インド人曰く、選挙期間は政治に関しての議論が激しくなるため、お酒を飲んでいると、殴り合いになるかもしれないからとのことです。

 

選挙結果への反応

多くのヒンドゥー教徒やビジネスを行なっている人々はモディ首相、インド人民党の勝利をとても喜んでいます。インド人民党の勝利が確立した瞬間、インドの株価が最高値に達しました。また中級階級、富裕階級が大きな買い物をし始めたというニュースも聞きました。

 

その反面、今回の選挙結果に恐怖と不安を抱いている人々も少なくありません。

 

第一に、現職のモディ首相が率いるインド人民党ヒンドゥーナショナリズムの色が濃い政党だと言われています。そのため、少数派である特にイスラム教徒たちにとっては現政党、社会に対して大きな不安を抱いているという声を聞きます。

 

第二に、失業率の増加と特に若者が仕事につけないということです。State of Working Indiaのまとめた資料によると、インドには約2300万人の失業者がおり、そのうちの1/3が高学歴の若者達だそうです。今回の選挙運動中、この問題について十分な対策が聞かれなかったという若者達からの不満も出ていました。

 

どの国にも大きな課題があるものですが、兎にも角にもこんなに人口が多く、土地によって全く言語も文化も宗教も違い、若いエネルギーに満ち溢れる国を取りまとめようとしているインド政府の力のすごさを改めて感じさせられました。

 

今回インド人民党が勝利宣言をするとすぐに、隣国のパキスタンのカーン首相はモディ首相にTwitterで次のような温かいメッセージを送っています。

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「モディ首相、おめでとう。南アジアの発展、平和、繁栄のために共に努力し、働いていくことを楽しみにしているよ」

 

記憶に新しい方も多いと思いますが、インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で、今年に入ってすでに何回も衝突しています。その中でのこの祝福のメッセージ!

 

このカーン首相の祝福のメッセージに対しても、モディ首相はお礼と「我々の地域の平和と発展は一番の重要事項です。」という返信をしています。

 

普段は敵対同士の間柄でも、大事な時に、このようなやりとりができるインドとパキスタンの首相同士の関係にも大人だなと思いました。

 

というわけで、今回6週間ほどの間に、かなり面白く学ぶことが多いインドの選挙でした。

 

参考サイト:

 

 

インド英語 〜インド人が使う面白い英語表現〜

インド人の外国語習得の能力には非常に驚かされます。

 

デリーでは、ほとんどの人はヒンディー語、英語の2言語、またデリー以外の州出身人達はこの2言語+自分の出身地の言語の3言語を話すことができます。

 

インドの憲法にはデリー、その周辺で話されているヒンディー語(インドで一番話されている言語)、ベンガル語(インド北東部ベンガルコルカタ辺り)など22の言語が公用語であると定められています。また政府関係ではヒンディー語または英語が使われています。

 

私自身、ヒンディー語を少しかじりましたが、やはりインドで英語が通じるのはとても便利だとつくづく感じます。

 

インドの方と英語で話していると、今の表現は一体どう意味?とか、面白い!という表現に出会うことが多々あって、それだけでも楽しい!

 

インドに住んで約1年半、この辺でインド英語について考えてみようと思い、今回はよく聞く(私にとって)面白いインド英語についてご紹介します。

 

  • What is your good name?

「グッドネーム…?」と考え込こまないでください。

これは「あなたのお名前は?」という意味です。ヒンディー語の”Aapka shubh (good) naam?”をそのまま英語に用いたため、上のような表現が使われているとか。

“What is your good name?” と聞かれたら、ご自分のフルネーム(名前、姓の順)を言えばオッケーです。

 

  • shift=「動く」、「移動する」、「引っ越す」の意味で使われます。

例えば、

1. レストランでの会話

(レストランのスタッフ):あと5分くらいで、あちらのテーブルが空きますから、それまでこちらのカウンターでお待ちください。テーブルが空いたら…

”I will shift you there."(あちらに移れますので。)

 

2. 引っ越しを考えているという友人との会話

(友人1):どうしたの、疲れてる?

(友人2):隣のアパートが工事中で、朝から夕方までずっとうるさくて、気が狂いそう。

”I am thinking to shift next month. (来月引っ越そうと思うの。)

このように、“to move”の代わりに”to shift”が使われます。

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  • geyser(ギザ):(水道やお風呂のための)湯沸かし器

最初「ギザ」と聞いた時、エジプトのギザのピラミッドがどうした?とチンプンカンプンでした。

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が、この単語よく聞きます。インドでは湯沸かし器のことを"geyser"とよびます。

 

デリーでは12月から3月までは"geyser"は欠かせませんが、日中40度以上続く現在ではこの"geyser"のスイッチをいれなくてもお湯が出てしまうので、電気代節約が多少節約できます!

 

ちなみにアメリカ英語では ”hot-water tank” 。”geyser”は「ガイザー」と発音し、「間欠泉」の意味になります。 

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  • profile : 仕事

日本語でも人物紹介という意味で使われる「プロフィール」。インド英語では「仕事」という意味で使っているようです。

 

例えば、

"Her profile is marketing. "(彼女の仕事はマーケティングです。)

"My profile is great!" ととは「私のプロフィールは最高です。」と言っているのではなく「私の仕事は最高ですよ。」と言っているので誤解しないように。

 

  • prepone=予定時間・予定日より早める

"postpone"「延期する」は皆さんご存知だと思います。"post-"の代わりに"pre-"という接頭語をつけ「予定日または予定時間より早く」という意味です。 "postpone" の反対語になります。なんて論理的でわかりやすく単語!と初めて聞いた時は感動しました。

 例えば、

"Can I prepone the tomorrow meeting to today?"  (明日の会議だけど、今日にしてもらえるかな?)

"The publication date has been preponed from July to June." (出版日は7月から6月に早まった。)

オックスフォード英語辞典に"prepone"が「インド英語」として掲載されています。

 https://en.oxforddictionaries.com/definition/prepone

 

  • expire:亡くなる、死ぬ

例えば、

"One of my friends expired last night…. "(昨日の晩、友達が亡くなりました。)

人の死に対して、"expire"という語を聞くたびに、「物」じゃないんだから!と思っていたのですけど、オックスフォード英語辞典の"expire"には「人が死ぬこと」という意味でも掲載されていました。イギリス英語でも使われるのでしょうか?

https://en.oxforddictionaries.com/definition/expire

 

  • Many returns of the day またはMany happy returns

インド人は"Happy Birthday" という代わりにこの表現をよく使います。

うまく日本語に訳せませんが「これからもあなたの誕生日(the day)が幸せと共に何回も何回も訪れますように。」といった感じでしょうか。

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心のこもったお祝いの言葉だなあと感じたので、同じ表現をアメリカの方にいってみたことがあります。そしたら「それってどういう意味?」と聞き返されました…。

 

  • only

インド人と話しているとよく耳にする単語、“only”。

インド人曰く、「〜だけ」「唯一の〜」という意味の他に、(いや、それ以上に)強調したい時、または癖で使うとのことです。特に文章の最後によく使います。

 

例えば、

1)映画館で…

(客)"What time does this movie start? "(この映画は何時に始まりますか?)

(映画館のスタッフ)"It starts at 5:10 only."(5時10分です。)

2)電話での会話

  (友人1) Hello, it's me. Where are you now?  (もしもし、私。今どこ)

(友人2) I am at home only. (今、家)

 

また、領収書、小切手などには値段を書いた後必ず“only”をつけるみたいです。

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私がデリーで歯の矯正をしていた時、行きつけの歯医者の受付の人が毎回領収書に"Three thousand rupee only"と書くんです。私の頭の中では”only“は「〜だけ」という意味が強いため、この領収書が

「患者さん、あんたの矯正料はたったの3000rupeeやで。お得やろ〜。」

と言っているような感じがして、なんだか安くすんだような気分にさせらたものです。(3000ルピー=約4600円)

 

以上がインド英語でよく聞く表現です。

あくまでのこれは私の周辺のみでのせま〜いリサーチ結果のため、誤用があるかもしれませんが…。

 

 

 

 

 

南アフリカ・ケープタウンのカフェ文化

「世界でコーヒーが最も美味しい街は?」と聞かれたら、どの街を思い浮かべますか?

 

LifehackBBC (2014)、CNN (2017) が選んだ「コーヒー好き必見、世界で最も美味しいコーヒーが飲める街」の特集ですべてに入っていた街は、シアトル、ローマ、ウィーン、メルボルンの4都市でした。

 

メルボルンというのは初耳だったのですが、ここでは毎年コーヒーエクスポが開かれ、バリスタの世界チャンピオンシップが行われているそうです。

 

残念ながら、日本、そして今回のテーマである南アフリカケープタウンは入っていませんでした…。

 

ケープタウンはイギリス文化の影響で、2000年頃まではコーヒーより紅茶の方が人気があったようです。

 

ちなみに、ケープタウンにある老舗ホテル「ベルモンド・マウント・ネルソンホテル」のアフタヌーンティー はとても有名。(http://bit.ly/2H9A1Tv)。

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こちらで飲める紅茶、お茶の豊富な種類には驚きました。日本や中国産のお茶、インド、スリランカエチオピアなどの様々な種類の紅茶から選ぶことができ(お代わり自由)ます。

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同時に主食となるミニサンドイッチ、スコーンやマカロン、チーズケーキなどおいしいデザートをつまみながらとてもゴージャスな時間を楽しむことができます。(祝日週末は要予約R395(大人)=約3000円)

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                                                   (insideguide.co.zaより)

今回ケープタウンを訪れて感じたことは、チェーン店でないカフェが増えており、コーヒーの質が非常に高くなったことです。

 

ケープタウンコーヒー文化の発展の裏側にはどんな事情があったのでしょうか?

 

2006年、レバノン出身のバリスタチャンピオン、Mikhael Bou Rjeilyさんが世界とケープタウンのコーヒー市場のギャップに驚き移住を決意。

早速、コーヒーアカデミーを開校し(*1)、コーヒーの知識、最高の一杯のコーヒーを作る技術を伝授し、数えきれないほどのバリスタを排出してきました。またコーヒーでキャリアを築きたい人へのカフェ運営の方法も教えているそうです。

 

このような動きがあちらこちらで起こり、10年前には一握りのバリスタしかいなかったのが、今 (2017年)では2000人以上のバリスタが様々な場所で活躍しているそうです。しかも、ビジネス関係の人だけではなく、家でもおいしいコーヒーが作れるようになる「バリスタ3時間コース(*2)」もあるので、ケープタウンを訪れた際には参加してみるのもいいかも。

 

こういったバリスタ達の努力によって、飲む側も高品質のコーヒーの味を学んだコーヒー愛好家が増えたことで、ケープタウンのコーヒー文化の急速な発展へつながっていったのでしょう。

 

旅行者は飲み慣れたスターバックス(*3)に入りたいと思うかもしれませんが、ここではぜひ地元の人が経営しているカフェに入ることをお勧めします。思わず「おいしい〜」とつぶやいてしまうコーヒーと、その場で作っている新鮮なペーストリーや食事で幸せな1日の始まりを味わえると思います。

 

以上のことから、ケープタウンでどこのカフェがをお薦めするかはとても難しいことなのですが、今回は私が実際訪れた中から、コーヒー、食事、サービス、雰囲気が良かったカフェ/レストランを何件かご紹介します。

 

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ケープタウンの人気のカフェです。気持ちよく目を覚ましてくれるコーヒーは一杯では足りないかも。

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コーヒーのお供にはアボガドトースト。目の前にいた女性が食べていたアボガドトーストが美味しそうだったので、頼んでみたらとっても美味しかったです!

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小さなカフェの隣には大きなオーブンがあり、そこでパンを焼いているので新鮮なパンがいただけます。お客さんがひっきりなしに来店し忙しいにも関わらず、スタッフの方はとてもフレンドリーでした。

 

地元の人々から観光客まで多くの人が訪れるThe Company’s Garden。

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朝早く起きたら、まず、公園内を散歩し、そこから見えるテーブルマウンテンを仰いでください。短い時間でもテープルマウンテンにかかる雲の流れによって変わる景色を十分楽しめます。お腹がすいてきたら、公園内にあるカフェ/レストランThe Company’s Garden Restaurantへ。

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コーヒーとペーストリーだけでもいいし、新鮮な卵を使ってスランブルエッグなどの元気がでる朝食もいただくことができます。天気の良い日には外のテーブルに座ったら最高かも!

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  • レストラン/魚介類、ワインも楽しめる!Sea Breeze Fish & Shell

         (211-213 Bree Street http://www.seabreezecapetown.co.za)

 

シーフードレストランです。

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午後5時から7時まで牡蠣とカクテルのハッピーアワー。(一つR13=約100円)こちらの牡蠣はたしか南アフリカ産とナミビア産の牡蠣です。新鮮でとてもクリーミーで美味しかったです。

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7時以降は南アフリカ産のワインとセビーチェ、フィッシュ&チップス、魚介類パスタやシーフードタコスを味わってください。

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最後はほどよい濃さの美味しいマキアートで締めれば、あとは宿泊先で幸せに眠るだけです。

 

  • 楽しくなるカフェ Captain Kirwin’s café

        (363 Albert Road, Woodstock https://captainkirwin.com/contact-us/)

今回は残念ながら訪れることができなかったのですが、前回お会いすることができたコーヒーを愛してやまないキャプテンが作るコーヒー屋さんです。いつも海賊の帽子をかぶり、「ギャオ(海賊の叫びなのでしょうか)」と叫びながら、美味しいコーヒーを作ってくれます。

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ここを訪れたらキャプテンと一緒に写真を撮ってください。お客さん一人一人と撮った写真は丁寧なコメントと共に、FBに載せてくれます。仕事が必要な地元の人には、できる限り仕事を与えて、一人でも多くの人がハッピーになればいい!という優しいキャプテンでもあります。

 

ケープタウンのコーヒーの質とそれを求める消費者の増加によって、南アフリカでも以前より広範囲でコーヒー栽培が行われるようになりました。この動きは新たな職を生み出すといういい方向にも向かっています。それも単に生産量を増加させるだけでなく、生産者へのきちんとした待遇が行う「フェアートレード」のコーヒー農場や、環境に配慮したコーヒー栽培も増加しているとのことです。

 

近い将来、ケープタウンでコーヒー文化の質がどのように発展していくのか一層楽しみです。

 

*1 コーヒーアカデミーコース http://www.shaker.co.za/instructors.cfm

*2 バリスタ3時間コース https://www.viator.com/Cape-Town/d318-ttd/p-31051P3

*3 ケープタウンではスターバックスなど世界中にあるようなコーヒーチェーン店はあまり見かけませんでした。スターバックス南アフリカに上陸したのは2016年。現在12件しか存在しません。ちなみに2018年11月時点で地元アメリカ(1971年設立)では14,606件、日本(1996年第一号店開業)では1392件のスターバックスあるそうです。

 

参考サイト:

 

 

ニュージーランドの面白い話

国民投票

先日、ジョン・オリバーの「LAST WEEK TONIGT」で、ニュージーランドの国旗を話題にしていました。

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さて、ここで問題です。ニュージーランドの国旗はどちらでしょうか?

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          (両国旗の写真:Wikipediaより)

 

答えは1番です。ちなみに2番はオーストラリアの国旗。

 

ニュージーランドの国旗が隣国のオーストラリアの国旗に非常に似ていることから、2015年、ニュージーランド政府は世界中から新しい国旗のデザインを公募し、2016年に「国旗の変更を望むか」という国民投票を行いました。

 

応募された、面白い作品をいくつかご紹介しましょう。

  • キーウィの胴体に現在のニュージーランドの国旗を描いたデザイン。うつろな目が何とも言えない…。

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  • 「シンプルが一番!」がテーマだそうです。これなら上も下も表も裏も関係ない。

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  • 「キーウィの目から放たれるレーザー光線でニュージーランドの力強さを表現した」というデザイン。(笑う!)

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その後国民投票を行ったところ56.5%が現行の国旗を引き続き使用したいということで、結局変更されませんでした。(♫ジャンジャン!♫)

 

ニュージーランド世界地図問題

こちらは今年2月IKEAが発売した世界地図です。しかしどこか変…。

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ニュージーランドが載っていないのです。しかも値段はUSD$43(約4800円)!

こちらが正しい地図です。(オーストラリアのやや東南にある細長い小さい島)

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これに対しIKEAは謝罪しました。現在最初のIKEAが首都のオークランドに建設中なのだそうですが、大丈夫なのでしょうか?

 

驚いたことに、ニュージーランドが載っていない世界地図は他にも結構あるのです。

 

  • スメソニアン博物館:世界について一番詳しいはずのスメソニアン博物館の世界人口地図です。でもニュージーランドが載っていません。それとも影になって見えないだけなのか…。いくら羊の方が多いと言っても、ちゃんと載せてあげましょうよ。

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  •  ジカウィルス:2016年ジカウィルスが南北アメリカなどで流行った頃発表された原因となるネッタイシマ蚊の生態分布図です。ニュージーランドにいないといいのですが…。

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この現実に少々イラついているニュージーランドの方がFacebookに「World Map Without New Zeland」というコミュニティーを作りました。こちらではニュージーランドが忘れられている世界地図をデザインしたタトューから公の地図までいろいろアップされています。

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ではなぜこんなにニュージーランドが世界地図から忘れさられるのでしょうか? 

一番の理由は単にスペースが足りなかったからという悲しい理由だそうです。(スメソニアン博物館もそうだったとか。)

 

これからは世界地図を見かけたら、ニュージーランドがきちんと入っているか確認してみてください。

 

以上、ニュージーランドについての話題でした。

 

参考サイト:

 

ニュージーランドのお勧めワイーナリー&more

ニュージーランドを訪れたのは9年前。多くのワイナリーを訪れ、テイスティングをしたですが、その記憶はワインの量と時間とともに薄れてしまいました…が、ここで紹介するワイナリーは今でも忘れられないワイナリーですので、自信を持ってお勧めできます!

 

北島

Waiheke island(ワイヘキ島)

ニュージーランドで一番のお気に入りの場所、ワイヘキ島。首都オークランドからフェリーで約30分のところにある島です。人口8000人の小さな島ですが、ワイナリー、美味しいカフェにレストラン、美しいビーチで見る夕焼け、そして満点に広がる星空…ゆっくりと過ごせる島です。

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今まで訪れたワイナリーの中でも忘れられない、とてもとても美しいワイナリーです。葡萄畑の先にはビーチがあり、さざ波の音が聞こえてきてとても心地よい。

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Man O‘Wineは海からの風と素晴らしい景色によって育てられたぶどうで作られているのだから美味しくないはずがない。

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私がこのワイナリーを訪れた時、可愛いアルゼンチン人の女性がMan O’Wineについて説明してくれました。

彼女はこのワイナリーでインターンとして住み込みで働いているとのことでした。若い頃からきちんとワインに接していれば、こういった生き方もできたかも…と彼女の生き方にちょっと羨ましく思ったのを覚えています。

ここではチーズやハムなどオーダーでき、Man O’ Wineと素晴らしい景色で気持ちよ〜く酔うことができます。

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ワイヘキ島の高台に美しく広がるワイナリーです。そこから見えるのは青い海。

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Man O’ Warワイナリーがピクニック気分を楽しめる場所なら、Mudbrickは特別な日に少しおしゃれをして、併設された素敵なレストランでMudbrickのワインを楽しむ場所。

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広大なぶどう畑、きちんと手入れがされている庭、そこから見える海、そして太陽の光がたくさん差し込む建物…贅沢な時間を過ごせるワイナリーです。

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Aukland(オークランド

オークランドに到着したらすぐにワイナリーに直行したい方。またはオークランドを去る前に、あと一件ワイナリーを訪れたい方にお勧めのワイナリーです。(私たちは後者の方でした)。空港から車で10分以内でいかれます。ワインテイスティングだけでもいいし、長旅の前にレストランやカフェでワインとともにゆっくりと食事を楽しむことができます。

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Hawke’s Ba (ヘイスティングベイ): 温暖な気候と肥沃な土地が広がるため、良質な農産物が豊富な場所。さらに良質なワイナリーがあちらこちらにある地域です。

こちらのワイナリーツアーはお勧めです。非常にわかりやすい言葉(英語)で、丁寧に説明してくれるので、このツアーのおかげでワインを作る過程がきちんと理解できました。人気のワイナリーですので、ツアーやテイスティングをする場合はあらかじめ予約をして行ったほうがいいかもしれません。

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ニュージーランドで一番古いワイナリーです。1851年に宣教師のフランス人のランピラ牧師によって最初のぶどうの木が植えられました。門を入った瞬間、うっとりしてしまうほどの美しい景色が広がります。

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木のトンネルを抜けると、可愛らしい二階建ての教会の建物が現れます。この建物は100年以上もカソリック教会の聖職者たちによって管理されてきた建物です。中はレストランになっており、Mission Estateのワインとペアリングで、おいしいモダンな料理が食べられます。

 

フェリーで北島から南島へ

レンタカーの場合はフェリーに乗る前に北島で返却し、南島でまた借りるといいと思います。

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             北島からフェリーに乗り…

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                 南島到着

   

南島

Marlborough(マールボロ)地方マールボロ地方といえばあの有名なCloudy Bayがある場所です。国内の3/4のワインを生産していると言われているほどたくさんのワイナリーが点在しています。

ワインツアーに参加してもいいし、行きたいワイナリーを選択して巡るのもいいし、または行き当たりばったりのワイナリー巡りをしてご自分の好みのワインを発見するのも楽しいですよ。

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お勧めのレストラン

ニュージーランドでメキシカン!?と思われるかもしれませんが、ここで食べた特にブリトーは今でも食べたいと思うほど美味しかったです。 

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最後にフライパン(?)でブリトーを焼いているので皮がいい加減にカリッとしているのかと思うのですが、とにかく美味!

 

 ニュージーランドというとワインが有名ですが、ブルワリーも多く、美味しいビールが飲める場所もたくさんあります。こちらのレストランもビールを作っています。ですから、ワインよりビールという方にもニュージーランドはお勧めです。

   

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お勧めのトラッキング

  • Abel Taman Cast Track (エイベル・タズマン・コースト・トラック)

南島の一番北にある国立公園です。トラッキングが好きな方は3〜5日かけて歩いてもいいし、ワイナリー巡りで忙しい方(?)は3〜4時間のウォーキングも楽しめます。

 

ここのトラックの素晴らしさは森、透き通る川、太陽に輝く青い海、白浜のビーチのすべてを楽しめること。

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また干潮時間の数時間だけ現れる干潟を歩くこともできるので、干潮時間をチェックするのを忘れずに!

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どうですか? 今すぐニュージーランドに行きたくなりましたか?

 

次回はニュージーランドの面白話をご紹介します。

 

クライストチャーチ銃乱射事件で感じたこと

今回のニュージーランドクライストチャーチ銃乱射事件の犠牲になられた方々、愛する方を亡くされた方々に心からお悔やみ申し上げます。

 

ニュージーランドには9年前に訪れました。

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想像した以上に広大な自然、その中で飲む(たくさんの)美味しいワイン、謙虚でとても優しいニュージーランド人との出会い…日本からもう少し近ければ、住んでみたいな思う国の一つです。

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今回起きた事件では50人もの方々が犠牲になりました。しかし悲惨な事件によって、ニュージーランドの方々の優しさ、勇気、強さを改めて感じさせられました。

 

オーストラリアのABCニュース(2019/03/22) によると、クライストチャーチで銃乱射事件が起こったモスクをはじめ、国内のモスクの周りには、ムスリム教徒の女性が頭を覆い隠すようにスカーフを身につけたムスリム教徒でない女性達の姿が多く見られたそうです。    

        f:id:philotrade:20190402152808j:plain                

銃乱射事件後、ニュージーランドに住むムスリム教徒の女性がヒジャブをつけて外出するのが怖いという声を聞いたオークランド在住のThaya Sahmanさんが「私たちも頭にスカーフをまいて外出するようにするわ。」とこのキャンペーンを始めました。

 

「私たちはあなたの味方。ニュージーランドはあなたの国であり家なのだから安心して暮らして欲しい。」という気持ちをムスリム教徒の人々に伝えたかったそうです。

 

また、95歳にもなるジョンさんは4台のバスを乗り継いでオークランドで行われた追悼行進に警察官と他の参加者に支えながら参加しました。ジョンさんはこの事件以来、悲しくて悲しくて眠れない日が続き、思わず来てしまったとのことです。

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                 cnn.comより

 

 3月28日にクライストチャーチで行われた国民追悼式典にはアーダーン首相をはじめ約2万人もの人が集まりました。

こちらはその式典のビデオです。

          youtu.be

 

銃乱射事件から生き残りましたが、愛する奥さんを亡くしたFarid・Ashmedさんは次のように述べました。

愛する奥さんを殺した犯人をなぜ許すことができるのかと多くの人に尋ねられました。それは、アッラーは自分の怒りをコントロールし、許せる心を持つ人間を愛するからです。」と。

 

そしてアーダーン首相の悲惨な現実を受け止めながらも、ニュージーランドとはこういう国だという明確で力強いスピーチには拍手をせずにはいられません。

残念ながら人種差別は存在します。しかし、この国では人種差別は歓迎しません。一人一人の宗教や信仰の自由を抑圧することもこの国では歓迎しません。暴力や過激主義的な言論をする人々もこの国では歓迎しません。」

(多分)マオリ語とアラブ語も交えての素晴らしいピーチでした。

 

人の数が羊の数より少ない、小さい島国ですが、そこに住む人々は両手を広げ、多種多様な移民を心から歓迎する大きい心を持つ人々なのです。

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だから、ぜひ、ニュージーランドを一度訪れてみてください。きっと忘れられない旅になると思います。

 

次回はお勧めのワイナリーをご紹介します。

 

参考サイト:

 

ビーズと人類の長い歴史 

  1. Beloved Beadworkと「ビーズ交易の歴史世界地図」

こちらは南アフリカケープタウンにアトリエとショップを持つBeloved Beadworkのジュエリーです。                                             

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素材は日本産のグラスシードビーズ。ガラス製のビーズの中でもシード(種)のように小さいのでグラスシードビーズと呼ばれています。

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Beloved Beadworkの創設者の一人であるアンナさんは、ビーズに関して語らせると紀元前から話し始めるというビーズ博士。

そしてこんなに大きな「ビーズ交易の歴史世界地図」を、なんと、グラスシードビーズで作ってしまいました! 

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    2. ビーズの歴史

  • 人類最古のビーズ

Beloved Beadworkのジュエリーのように芸術作品とまではいかなくとも、ビーズに糸を通しネックレスやブレスレットを作ったことがある方も多いと思います。実はこの作業、約10万年も前から行われていたんです。当時は貝殻に穴を開け、植物の蔓のようなものを糸のように使い作られたアクセサリーがイスラエルアルジェリアで発見されています。

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     「人類最古のビーズか?10万年前の穴の開いた貝殻」より

 

古代エジプトでは第18王朝ファラオのツタンカーメンのような階級の高い人から一般人まで男女限らずビーズを身につけていました。ビーズはお守りや魔除けになると考えられていたのです。エジプト語で「sha」 は「luck (幸運)」、「sha-sha」は「ビーズ」を意味します。

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     「ガラスを使ったアクセサリー」touregypt.netより

 

  • 「ビーズ」の語源

「ビーズ」の語源はアングロサクソン語で「bidden(祈る)」「bede(祈る人)」を意味します。中世ヨーロッパのカトリック教徒が聖母マリアへ祈る際に回数を数えるために、ビーズで作られたロザリオを用いました。これはヒンドュー教(紀元前185年頃)から起こり、仏教徒が使う数珠、イスラム教のスブハにも見られます。

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                ロザリオ

 

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                スブハ 

 

Beloved Beadworkの「ビーズ交易の歴史世界地図」には驚嘆する歴史があるのです。それを説明するには14世紀にイタリアで始まったルネッサンス時代に飛びます。

 

ガラスはフランス、ドイツ、オランダ、イギリスでも古くから作られていました。しかし、ヨーロッパのガラス製造の中心地は何と言ってもヴェネチアングラスで有名なイタリアのヴェネチアでした。そして、ここはグラスビーズの中心地でもありました。

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当時のヨーロッパではガラス職人によってグラスビーズが大量生産されていたにも関わらず、ヨーロッパの人々が好んだのは豪華な宝石。グラスビーズはジュエリーとしてはあまり使われていませんでした。

 

では、一体、グラスビーズは何に使われていたのでしょうか?

 

14世紀にイタリアで始まったルネッサンスはヨーロッパの「美」の概念に大きな影響を与えます。レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロは自分の作品をより自然な人間の肉体に近づけるために解剖学に興味を示しました。

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それは女性の体を優しく柔らかく、美しく描きあげるという絵画にも影響を与えます。「個々」の美の演出が重要視され、15世紀半ばになると女性達のドレスの胸元がだんだんと広がり、胸元、耳元などを豪華なジュエリーで飾ることが流行ファッションとなりました。

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          14世紀~15世紀頃の女性のファッション

 

同じ頃、航海術や造船技術が向上しコロンブスバスコ・ダ・ガマ、マゼラン等のような探検家が現れます…。

 

ここまで話せばグラスビーズが何に使われたかが想像できるでしょう。

 

多くのヨーロッパの探検家、貿易商、宣教師達は、こぞってアフリカ大陸、南米アメリカ大陸に小さくて持ち運びやすいグラスビーズを大量に持参しました。この地域では、まだ、ガラスが存在していなかったため、貨幣のような物、装飾品、富として非常に珍重されました。特にヴェネチアのグラスビーズは有力な部族達によって、自らの権威を誇る印として競って身にけられました。

 

ガラス職人達は、各国、各部族達がどんなビーズを欲しているかを丹念にリサーチし、彼らのニーズや褐色の肌に合う鮮やかなグラスビーズを大量に生産したのです。特にヴェネチアからアフリカへ渡ったヴェネチアングラスビーズは、別名「アフリカン・トレード・ビーズ」とも呼ばれています。

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一方、ヨーロッパ人は低コストで生産できるグラスビーズと交換に、金銀、貴石、金属、象牙、奴隷などで莫大な利益を得ました。

 

ヨーロッパ(武器、雑貨、グラスビーズ等)→ アフリカ(奴隷)→南米アメリ

 

南米アメリ(金銀、貴石、砂糖、タバコ等)→ヨーロッパ ← アフリカ(金、象牙、パーム油等)

 

この交易は20世紀初頭まで続いたと言われています。

 

   3. アフリカ

  • ビーズの面白い話

アフリカではその人の社会的地位、年代、結婚歴(未婚か既婚か)などによってビーズを使った装飾品、アクセサリー、服が身につけられます。

 

例えば、南スーダンに住む長身で知られるディンカ族の男性が身に着けるビーズのコルセットは年齢によってグラスビーズの色が異なります。赤と白は15歳〜25歳。ピンクと紫の組み合わせは25歳〜30歳。それ以上だと黄色のグラスビーズのコルセットを身に付けるのだそうです。

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アフリカ南部に住むズールー族はグラスビーズを使い、色や様々な幾何学的な形を組み合わせることで、未婚の女性から未婚の男性へ思いを伝える「ラブレター」を送っていました。各色(白以外)は肯定的な意味と否定的な意味を持っています。

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肯定的        否定的                                   意味

白:清純、貞節         無し

黒:結婚、新生    消滅、死、悲しみ   あなたに他の恋人ができたということを               

                   聞いて悲しみでいっぱいです。  

 

赤:愛           怒り、悲嘆          あなたのことを思いすぎて私の心は血のよう

                   に真っ赤です。

 

青:忠実       孤独          もし私が鳥だったら、今すぐにでもあなたの

                                                                   ところに飛んでいきたい。

 

緑:満足                      恋の病              あなたを思いすぎてすっかり痩せてしまった   

                                                                   わ。

 

ピンク:          貧乏          賭けばかりしてないで、結納品を買うお金を

                    きちんと稼いでちょうだい。

 

このように色によってそれぞれ意味があるらしいのですが、グラスビーズを使ったラブレターはあくまでもカップルの間で決められた暗号であるため、残念ながら他人が解読するのは困難だそうです。私には解読不可能でした。

 

   4. 日本

さて、日本でもビーズで作られた女性の装飾品などが古墳から発掘されたり、正倉院には数十万個ものガラス玉が収められたりしているなど、古くからビーズが珍重されていたことが分かります。

 

江戸時代は鎖国であったにも関わらず、出島があった長崎にボヘミアン産(現在のチェコ)オランダ産、ヴェネチアン産のグラビーズがオランダの貿易商や宣教師によって持ち込まれたり、中国産の輸入グラスビーズや、中国から長崎に移り住んだ中国人のグラスビーズ職人によって作られたりしていました。

 

第二次世界大戦後の復興期、欧米より日本での人件費が安かったため、輸入品としてグラスビーズの生産が広がりました。現在グラスビーズというと、インド(1000B.C.〜800B.C.頃から作り始められる)、中国(9C〜13C頃)、チェコ(12C頃)、そして日本の4カ国が主です。

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         インド産のグラスビーズアクセサリー

 

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             中国産のグラスビーズ

 

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            チェコ産のグラスビーズ

 

日本のグラスビーズ生産の歴史は他の3カ国に比べると非常に短いにも関わらず、ビーズの形、サイズ、穴の位置が統一されているという完璧さが非常に高く評価されています。そして世界中でアクセサリー、ドレス、ビーズクラフトなどに多く使われています。

        

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          日本産のグラスビーズ (MIYUKI)

 

   5. 最後に

あんなに小さなビーズが、太古には人類が生き延びるため、そして自分の身を守るための物として、中世からは高価な金銀や宝石や悲惨な奴隷貿易の交易として使われていたという歴史に驚嘆しました。

また、どの時代、国にも、ビーズの美しさに魅了された人々が存在し、過去に生きた人と今生きる私たちのビーズへの思いがつながったことに感動を覚えました。今回、ほんの少しですが、ビーズの歴史を学ぶことができたのは、Beloved Beadworkのグラスビーズで作られた「ビーズ交易の歴史世界地図」のおかげです。

 

参考文献・サイト