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インド映画「パッドマン」!

アメリカにはスーパーマンバットマンスパイダーマンが、でもインドには…パッドマン(PAD MAN)がいる!

 

今回は、今年インドでも大ヒットした映画「パッドマン(PAD MAN)」についてご紹介します。*パッド (sanitary pad)=生理用ナプキンの意味

 

「パッドマン」簡単なあらすじ

奥さんへの一途の愛が“生理用ナプキン革命を”を起こし、インドで5億人の女性を救ったといわれるアルナチャラム・ムルガナンサムさん(映画の中ではラクシュミ)の実話に基づいた映画です。

          www.youtube.com

ある日、生理が始まった奥さんが汚いぼろきれを生理用ナプキン代わりに使っているのを知ったラクシュミは、奥さんの健康を心配し、安価で清潔な生理用ナプキンを作る機械を開発しようと決心します。

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                  koimoi.comより

 

しかし、生理に関して話すことはタブーな村社会で、自分が作った生理用ナプキンを奥さんや、家族、医大に通う女子大生に試着してもらおうとしますが、とことん断られます。しまいには自分で女性用のパンティーを購入し、開発した生理用ナプキンをつけ、動物の血を使って実験しますが,結果は大失敗。村中の人から変態男(Mad Man)扱いされてしまいます…。

 

コメディーなので笑える場面がたくさんありますが、男女共々生理について正しい知識を持つことの大切さ、女性の社会進出/自立支援などの興味深い様々なテーマが盛り込まれている社会派映画なんです。最後は感動します!

 

ご本人のアルナーチャラムさんについて

アルナチャラムさんは2ルピー(日本円で約3円)で生理用ナプキンを作れる機械を開発し、2014年には雑誌TIMEで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれました。

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                    本人のアルナチャラムさん cbc.caより

 

凡人の私なら、ビジネスチャンス!と舞い上がるところですが、アルナチャラムさんは違いました。特許を取ろうともせず、インドの貧しい村を中心にこの機械を設置し、生理用ナプキンを普及させるために村の女性達に運営してもらうというシステムを作りました。

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                  BBC.comより

 

インドで最も貧しく閉鎖的な村では、女性たちの父親または夫からの許可を得ないと女性たちとは会話もできません。さらに生理用ナプキンを使うと目が見えなくなるとか、一生結婚ができないとか普通に信じられている村社会なのです。

 

このような場所では、女性達自身が他の女性達に生理用品を使うことを啓蒙することでしか革命を起こすことができないとアルナチャラムさんは考えたのです。

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               liveinstyle.comより

 

アルナチャラムさんの夢はインドの100%の女性が生理用ナプキンを使う国にすること、さらに田舎に住む女性たちの雇用を生み出すことを目指すことです。

 

アルナチャラムさんのお父さんは交通事故で亡くなっています。その後、子供達を育てるために、持ち物を全部売り払い、安い日給で苦労しながら働くお母さんを助けるために、アルナチャラムさんは14歳で学校をやめ仕事を始めました。この経験から、今後、自分のお母さんのような女性を一人でも減らしていくために、特に貧困に苦しむ村々の女性たちが夫や父親に頼らず生きていくために、女性たちの社会的自立支援が必要と考えたのです。

 

映画「パッドマン」の内容は本当なのか?

インド人(現在40代)の友人に「パッドマン」の映画の内容は本当なのかということを聞いてみました。

 

彼女はインドの南部ベンガルール出身。生理についての知識は全くなかったので、生理が始まった時はとても驚いたそうです。さすがに彼女は汚い布は使いませんでしたが、布を当てていたそうです。

 

映画では、生理がはじまると汚れた存在とみなされ、最低5日間女性達はベランダのような所で過ごさなければなりません。公の場に出て行かれないのです。女性の社会進出の大きな妨げにもなりますし、女性は父親や夫に頼らなければ生きていけない社会的にか弱い存在でしかありません。

 

私の友人は外には出されなかったそうですが、やはりキッチンにも入れず、部屋の隅で過ごさなければならなかったと言っていました。

 

インド社会における生理用品の使用状況

生理の期間中生理用用品(生理用ナプキン、生理用布、タンポンなど含む)の使用率

(2015年〜16年に行われたNational Family Heath調査 -対象年齢15〜24歳)

  • 都会に住む女性 78%
  • 田舎に住む女性 48%
  • インド全体 42% (うち16%が地元の機関/団体から支給された生理用品を使用)

この数字は学校教育を受けている比率に大きく反映しているそうです。12年以上学校教育を受けている女性のほうが、学校教育を受けていない女性の約4倍の率で生理用品を使う傾向があるという結果になっています。

 

WHOが2017年10月行った調査(インド35都市に住む女性からの回答)では次のような結果が出ています。

  •  生理がはじまった時、生理用品へのアクセスがない。43%
  • 周りにお客さんがいる時に生理用品を買いたくない 。36%
  • インド社会で生理について語ることはタブーだと感じている。40%

若い女の子の回答の中には「生理について質問があっても恥ずかしくて聞けないない」とか「生理用品をゴミ箱に捨てるのが恥ずかしい、だからトイレに捨ててしまった」という回答もあったそうです。

 

正しい知識を得ることができないため、噂を信じたり、不衛生でもそれに気がつかなかったりという問題も起こってきてしまっています。このことからインドでは生理に対する教育を積極的に行なっている学校やNGOも増えてきているようです。

 

最後に

アルナチャラムさんが現在でも行なっているこの活動は、開発者/起業者が利益を得るという”ビジネス”ではなく、世界を活発に、人々を幸せにしていくという何か新しい”活動”ではないかとも感じました。

 

「Pad man」は日本で12月7日から公開されます。

性別に関わらず、たくさんの方に見ていただきたいと思います。

「女性が輝く社会」を“叫ぶ”どこかの政府、女性の受験者の合格点を男性の受験者より高く設定しているというどこかの大学の人々、性教育に消極的などこかの教育委員会の皆さんには特にお勧めです!

 

TED TALKに出演したアルナチャラムさん

    bit.ly

 

参考サイト

 

Netflix配信映画 〜「7月22日」〜 今年見た映画の中で一番パワフルでした。

先日、10月にNetflixで配信された「7月22日(22 July)」というものすごくバワフルな映画を見てしまいました!

        

           www.youtube.com

               

時期的(日本で「外国人労働者政策拡大」法案が“論議”されている最中)なこともあり、この映画からいろいろ感じることがありました。

 

脚本兼監督はポール・グリーングラスさん。「ユナイテッド93」や「キャプテン・フィリップス」など実話を元に多くの映画を撮っている監督です。

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            rottentometoes.comより引用

        f:id:philotrade:20181114153001j:plain

                                           sonypictures.comより引用

簡単なあらすじ

舞台はノルウェー

 

2011年7月22日、ノルウェー人であるアンネシュ・ブレイビク(男性)によって連続テロ事件が起こされます。

 

ブレイピクは、まず、オスロ政府市庁舎の建物を爆破します。しかし、これは単なるおとりで、その直後、オスロから少し離れたウトヤ島に向かいます。

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          ウトヤ島:yohoonews.comより引用

 

その島では毎年、労働党の青年部に属する若者たち(主に高校生)が政治についての議論やスピーチ、スポーツなどの活動を通しサマーキャンプを楽しみます。(ノルウェー労働党は左派であり主に移民政策に寛容な党)当時の首相(労働党)も若い頃はこのサマーキャンプに参加していました。

 

オスロ政府市庁舎を爆破させたブレイビクは、次にそのサマーキャンプに参加していた若者たちに向けて、容赦なく銃を乱射します。最終的に政府市庁舎の爆破も合わせ、77人の命が奪われました。

 

若者たちを銃撃し続けるブレイビクと、必死に逃げ惑う若者たちのシーンはとてもリアルで凄まじく、なぜこんなにも冷酷な行動がとれるのか、同じ人間として恐怖感、憎悪感が湧いてくるほどです。

 

ところが、映画のメインはこれからなのです。

 

ブレイクビクが訴えたかったことは、ノルウェーの移民の受け入れと多文化主義という思想を一切禁止すること。そしてこの思想が正しいということを法廷で国民に訴え、それが実現するまで戦い続けることが彼の真の目的でした。

移民に寛容な態度をとる労働党の青年部のエリート達はブレイビクにとって、ノルウェーの将来を脅す人物達だと考えたのです。

 

この映画の主人公であるヴィリャル(労働党の青年部)もこのキャンプに参加しており、キャンプのメンバーの中で誰からも好かれていた存在でした。

 

彼はブレイビクに体5箇所を撃たれました。そのうちの一つが頭に当たり、手術をしてもその破片を取り除くことができず、いつ脳の重要な部分を傷つけて死に至るのかわからない状態で生きていかなければならない体になってしまいます。

 

リハビリによって、ヴィリャルは体の動かし方、歩くための足の動かし方を再び学ばなければなりませんでした。また、頭の中に銃弾の破片という時限爆弾を抱えながら生きる恐怖、将来の夢の喪失、親友の死など精神的にも肉体的にも非常に悩み苦しみます。

 

しかし、リベラルな思想、将来への夢を持ちながら強く生き続けることが、結局はテロリストであるブレイビクへの最高の復讐であり、銃に撃たれ命をたった親友達のためなのだということに気づきます。

 

その日から強い自分をブレイビクに見せるために懸命にリハビリに励んでいきます。

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最後のシーンはう〜んと唸ってしまうほど、非常にパワフルです。

 

現在日本にいる「外国人技能実習生」「外国人労働者」の状況が過酷すぎる!と叫ばれているにも関わらず、それを改善することもないまま、さらに新たに多くの外国人労働者を受け入れようとしている政治家一人一人にぜひ見てもらいたい映画です。

 

日本人の多くは、困っている人を見るとほっておけない優しい世話好きな国民です。日本へ旅行に行ったことがある人、在住経験がある人から日本や日本人について良いコメントをよくいただきます。

 

しかし一方で、少ないながらも、特定の国籍を持つ人々に対して差別的な発言をする人々が存在しており、大きな災害や事件が起こると、ヘイトスピーチフェイクニュース、デマなどが拡散しているのも事実です。

 

私が一番心配なのは日本人の中からブレイビク予備軍のような存在が生まれてくるかもしれないことなのです。

 

きっと日本政府は曖昧で不本意な条件の元で、外国人労働者法案を通すことでしょう。

 

夢を持って日本に働きにきたのに、日本語が理解できず、「移民」でないため何かあった時に守られるものがなく、精神的にいっぱいいっぱいになった場合、外国人労働者の方の逃げられる場所がなかったらどうなるかは容易に想像できることです。

 

そして、そんな方達に憎悪や恐怖感を持つ日本人も必ず現れてくるはず。

 

これは私のこのような映画の見すぎ、または考えすぎであればいいのですけど…。

 

最後に、ノルウェー連続テロ事件の直後の勇敢で素晴らしいツイッターのメッセーをご紹介します。

 

テロ事件の際、自宅にいた労働党青年部の一人のツイッター

「ひとりの男性がこれだけの憎悪をみせることができたのです。私たちが共にどれだけの大きな愛を見せることができるか、考えてみてください。」

 

生存者の一人、CNNのインタビューで:

「暴力は暴力を、憎悪は憎悪をうみます。これは良い解決策につながりません。私たちは、私たちの価値観のための戦いを続けます。」

 

この映画が上映されたことで、ノルウェーでは、移民、テロなどについての議論が再び激しくなっているとのことです。そろそろ私たちも真剣に議論するべき時なのではないでしょうか。

 

参考サイト:

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/5sns.php (ツイッターを引用)

https://ja.wikipedia.org/wiki/7月22日_(映画)

https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20180921-00097691/

http://agora-web.jp/archives/2035627.html

 

美食の聖地〜サン・センバスチャン(スペインバスク地方)〜のすごさについて

友人が年末年始にスペインにあるサン・セバスチャンを訪れるというので、三年前に訪れた時の写真を見ながら、レストラン/BARリストを作っていました。ところが私が撮った景色の写真は2枚ぐらいしかなく、あとは食べ物の写真だけ…。

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        風景写真1:ビスケー湾。海水浴、サーフィンを楽しむ人々

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     風景写真2:

                 バスク地方の有名な飲み物チャコリ(*1) やワインを作っているワイナリー

 

サン・セバスチャンはスペインのバスク地方にある人口18万人の小さな街です。しかし、ここはおいしい食べ物を求め、毎日世界中から多くの人が訪れる街なんです。三年前私がこの街を訪れたのも同じ理由。おいしいピンチョスとおいしいワインを満喫するため。ですから食べ物の写真が多くなってしまうのはしょうがないのです。

 

スペインにはミシェラン三つ星(最高格付け)のレストランが7件ありますが、そのうちの3件がサン・セバスチャンにあります。さすがに三ツ星のレストランで食事をしたことはありませんが、サン・セバスチャンだけでなくスペインではこういったミシェランを得たレストランでも、特に気取る必要はなく、気軽に美味しい食事が楽しめるのがいいところなのです。美味しいと思った料理のレシピをたずねればほとんどのシェフが教えてくれますし、おいしい料理を満喫できたことのお礼をシェフに伝えたければ、キッチンから出てきてくれて普通におしゃべりしてくれるのも嬉しいことです。

 

しかし、サンセバスチャンの一番の楽しみ方はバル(BAR)のはしごです。BARとはだいたいお昼過ぎ頃から、レベルの高いおつまみ(ピンチョス)をつまみながら、おいしいワイン、ビールなどが楽しめる、いわゆる日本でいう立ち飲み居酒屋です。(もちろんソフトドリンク、おいしいコーヒーなどもあります。)

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サン・セバスチャンのあるバスク地方の代表的なピンチョスといえば、

  • 「Gilda (ヒルダ)」:オリーブ、アンチョビ、(辛くない)青唐辛子のピクルスが串に刺さった食べ物。

     

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「Pimiento de guernica(ピミエント・デ・ゲルニカ)」:ししとうをオリーブオイルで素揚げして塩をふりかけた食べ物。

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「Tortilla de bacalao (トルティーヤ・デ・バカラオ)」:水で戻した塩鱈のオムレツ

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などなど。ほとんどが1〜3ユーロと値段も手頃です。

 

各BARが名物であるピンチョスを2、3品程もっています。ワインなどを飲みながらそれぞれのBARでいくつかのピンチョスをつまみ、そしてお会計をして、次のBARへと移って行くのが、これがまた楽しくてしょうがないのです。

 

Bar Borda Berri:サルモレホスープ(食べるトマトのスープような食べ物)リゾット)

   

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Tamboril :イベリコハムのサンドイッチ

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La vinña:チーズケーキ

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そのBARの料理がおいしかったら、床に紙ナプキンを投げ捨てるのがマナーなのです。どこのBARが美味しいのか迷った時は床に紙ナプキンがたくさん落ちているところに入れば間違いないと思います。

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ではなぜ、こんな小さな街サン・セバスチャンがなぜ世界の美食の街になれたのでしょうか。

 

  • 目標の明確化

- レシピを共有

なんと、サン・セバスチャンのレストラン、BARで働くシェフたちは「自分の技やどこかで習得した技、あたらしい技をお互いに教え(*2)」あっているのです。大抵、地方には何件かの有名なレストランがあり、多くの人々はそこで食事をするためにその街を訪れますが、一日または一晩でその一件のレストランが集客できる数には限られています。 しかし、シェフ同士がレシピや技を教えあえば、街中の食のレベルが全体的に上がり、「一件だけでは集められないほどの人をその地へ呼び込むことができるでしょうし、一人では開発したり、作ることのできないような美味しい料理をだすことができるようになる(*3) 」のです。検索サイトで「サン・セバスチャン」と入れてみてください。「美食」「美食の聖地」「ミシェラン」「お薦めバル」というワードが一緒にでてきますよ。

 

−  将来活躍する若手シェフの育成

サン・セバスチャンでは若手シェフの育成を重視し、1992年に料理学校が設立されました。また、2011年にはバスク・クリナリー・センターという四年制の大学が開講。ここでは有名レストランのシェフが講師になり地元のバスク料理が習えるのはもちろんこと、レストラン経営、料理研究、料理科学など学べる場所です。将来の優秀なシェフになりたいという夢と情熱を持つ人であれば、どこの国からでも応募ができるようになっています。こういった若者達に、一流のシェフ達が自分たちの知識、経験、技の全てを喜んで教えるのです。そのうちここから世界トップ50レストランのシェフに選ばれるようなすごいシェフが現れるのは遠い未来の話ではないでしょう。また世界的に有名な大企業や地元の飲食企業などが大学のスポンサーになっていることもとても興味深いことです。

 

シェフだけでなく、この地方の政府、企業、街が一体となり「世界の美食の街になる」という明確な目標を持ち、その目標に向かう日々の努力が一層サン・セバスチャンの「食」をレベルアップさせているのだと思います。

 

  • 伝統食とモダン食の融合・自然と共存

スペインでシェフの方とお話をさせていただくと、どのシェフからも「このレシピは僕のおばあちゃん(またはお母さん)のレシピなんだよ」ということをよく聞きます。ここサン・セバスチャンでも同じような話を何回も聞きました。

 

街の目の前には美しいビスケー湾、ちょっと行けば山というように自然が豊富なサン・セバスチャンは多くの新鮮な食材に恵まれています。代々伝わるレシピをこの先も残していくためには、自然と共存し、大切にしていかなければならないということも多くの方から聞きました。

 

一方で、作り手がいいと思えば常に新しい食材やレシピを世界中から積極的に取り入れているそうです。例えば、A Fuego Negroの神戸ビーフミニチュアハンバーガー。合羽橋によく売っているミニチュアの食品サンプルくらいの大きさのハンバーガーの中にジューシーな神戸牛がはさまれています。付け合わせはバナナチップス! 

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また、あるBARでマグロのタルタルかカツオのたたきをいただいたら、ムース状のわさびが添えられて出てきました。日本では大抵練り状のわさびで、私はいつも使い切ることができず残してしまうのですが、ムース状だったため食べやすいのかどうかわかりませんが、添えられていたわさびは全部使い切りました。

 

 他にも、わかめ、柚子、昆布など、ここ美食の街サン・セバスチャンでも和の食材が多く見られました。和食の素材がサン・セバスチャンのシェフたちの手にかかると、こんな味に、こんな形になるんだと、一つ一つの料理に舌鼓を打ったことを思い出します。 

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伝統を大切にしながらも、新しい素材を積極的に取り入れ、融合させることで常にあたらしい、ワクワクする料理が食べられるのがサン・セバスチャンの大きな魅力です。また、その伝統をずっと守っていくためには、我々に食材を与えてくれる自然を大切にしていかなければならないというシェフ達の姿勢もとても素敵だと思います。

 

  • 街中の人々が美味しい食を心から愛している

サン・セバスチャンに滞在している間、様々なレストランやBAR、市場でおいしい料理いただいたのですが、どこで食べても常に美味しいのです。ハズレも普通もないのがとても不思議でした。

 

BARの中でも一番のお気に入りのBAR、Bar Haizeaへ3回目の訪問の際、たまたまお客さんが少なかったので、このBARを仕切っているおじさんに思い切って「なぜサン・セバスティアンの料理はこんなにレベルが高いのですか」という質問を投げかけてみました。

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 googleの翻訳アプリを使いながらいろいろお話ししてくれたおじさん atBar Haizea

 

その方は「私たちは美味しい料理をたべることが心の底から好きなんだよ。」と真剣な顔で答えてくれました。サン・セバスティアンが美食の街と言われるのはこれに尽きると思います。

 

また「美味しい物を食べるとみんな幸せな顔になるし、その顔を見ると、こちらまで幸せになってくるんだ。だから私たちは毎日おいし料理を作り続けるんだよ」と。

 

サン・セバスティアンにはたくさんの世界的に有名なレストランやおいしすぎるBARがたくさんありますが、他の地域、国でオープンするとうことはありません。なぜなら彼らが誇りにしているバスク料理とはここで使う素材がここで取れる新鮮な魚、肉、野菜を使うからなのです。だからあそこのBARのあの料理がまた食べたいと思ったらサン・セバスチャンに行かないと食べられないのです。

 

この街の人々と話していると、食べ物に対する愛情、情熱がとてもよく伝わってきます。自分たちの料理を愛することは、自分たちが住む場所の自然、土壌、歴史、文化、人々を愛することにつながっていくのだと思います。ですから、はじめに戻りますが、自分の街をよくしていくためには、いいと思ったことは積極的に取り入れ、それを他の人と共有することを決して惜しまないのでしょう。

 

世界の美味しい料理関連の記事には、サン・セバスティアン、東京や京都の地名が必ず記されています。新鮮な素材、旬な素材を使いシンプルな味付けが最高の料理という考え方、美味しい料理を愛する心など日本とサン・セバスティアンには共通する部分がたくさんあると思います。

しかし、日本との大きな違いはサン・セバスティアンは住民、民間、政府が自分たちの得意とする分野に焦点をあて、現在、未来への具体的な計画をみんなで共有していることです。

 

さて、日本はどうでしょうか…。

 

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お勧めBARリスト:友人に作ったリストを皆さんとも共有したいと思います。

Bar Haizea: 一番のお気に入り!何度おとずれてこのBric de Bacalaoを食べたことか…。お店の人にお勧めを聞けば美味しいもの出してくれます

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Bar Borda Berri(牛の頬肉、サルモレホスープ、リゾット(Risotto de idiazabal))

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La Chuchara de San Telmo(牛の頬肉carrillera de terneraが有名)

Bar Goiz Argi (串に刺してある海老 (Brochetas de gambas))

Taberna Gandarias Jatetxea

La Mejilloneria (ムール貝mejillones tigres)

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レストラン:Bodegon Alejandro(ランチのテイスティングメニューがお勧め)

市場内:朝すこし早くおきたら市場での朝食がお薦め

 

 引用:

*1チャコリ:スペインバスク地方で微炭酸の若い白ワインのようなお酒。注ぐ際には高い位置からコップに注ぐ。そのパフォーマンスも見どころ。

*2「人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか」—スペイン サン・セバスチャンの奇跡 p.103

*3「人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか」—スペイン サン・セバスチャンの奇跡 p.104

 

参考サイト/文献

https://www.bculinary.com/en/sobrebcc

https://edition.cnn.com/travel/article/world-best-food-cultures/index.html

「人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのかースペイン サン・セバスチャンの奇跡」 高城剛 2017年3月15日

 

 

 

 

油やで出会った素敵な写真家 〜真島ゆかりさん〜 について

9/27-10/8まで信濃追分文化磁場「油や」で、今年2回目のポップアップショップを開かせていただきました。

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油やに行かれたことがある方はお分かりかと思いますが、油やのスタッフの皆さんは温かくてユニークな方達ばかり。お一人お一人が素晴らしい経歴、技術をお持ちの方で、皆さんと同じ空間に居られたことが光栄に感じられます。

 

ここでお会いしたのが真島ゆかりさん。

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こんなことをいってはご本人に失礼かもしれませんが、親戚のお姉さんのようで素敵な方なんです。それでいて、時々出る柔らかい関西弁がとても可愛いのです。油やでは喫茶でおいしいコーヒーや飲み物を出してくれるのですが、実は美しい風景や草花の写真を撮られている写真家さんです。

 

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                 油やのHPより

 

真島さんの写真は「なぜこの瞬間が撮れたの?」と聞きたくなるほど、草木、風景が一番輝いている瞬間、撮ってほしい瞬間を撮っていらっしゃいます。

 

ですからどの写真も、うっとりさせられたり、ハッとさせられたり、またはこの後何かが起こるのではと、恐怖さえ感じる写真など見ていて飽きません。加工は一切せず、すべて自然の光を使って撮っていらっしゃるそうです。

 

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真島さんが写真家になられた過程は簡単なものではありませんでした。

 

真島さんが神戸の短大卒業後、たまたま待ち合わせをしていたお友達が電車に乗り遅れ、駅でそのお友達を待っている間、たまたまその駅で電車の写真撮影をしていた鉄道写真家の故真島満秀さんに、写真のモデルになってくれるよう頼まれたそうです。それがきっかけで、東京にある真島満秀さんのスタジオで働くようになりました。

 

写真スタジオで受付や、真島満秀さんのアシスタント、他会社との仕事をする際に、カメラ、写真のことを学ばなければと思った真島さんは一生懸命勉強したそうです。まさに実践においてカメラについて学ばれました。

 

ちなみに真島満秀さんはJTBの時刻表の表紙や、青春18切符のポスターなど、皆さんも一度は見たことのある写真を撮られていた、鉄道写真家の第一人者と言っても過言ではないほど有名な方でした。

 

その後、お二人は結婚され、軽井沢に移り住みました。当時の写真も見せていただきましたが、お二人ともとてもいい顔をされていました!

 

しかし、10年ほど前、真島満秀さんが急に亡くなったのです。現役のまま…。

 

真島ゆかりさんはあまりのショックで一歩も家から出られず、カーテンが閉め切られた真っ暗な部屋の中で、ずっとずっと涙を流されていたそうです。

 

そんな毎日を送って約3年、ひょんなことから油やで古本屋をされている斎藤さんと出会いました。「とにかく外に出て来なさい」と説得され、少しずつ油やのお手伝いしながら外に出られるようになりました。

 

それまで亡くなられたご主人の部屋に入ることができず、ご主人が使っていた物にも触れることができなかった真島さんが、ある日、ご主人のカメラのレンズをご自分が使っていたデジタルカメラに装着してみました。するとカチッとはまり、そのレンズをのぞいてみたら…

 

「夫はずっとこういう景色を見てたんだ…と思ったら、ポロポロ涙がでてきちゃったのよ。」と、貴重な瞬間について語ってくれました。

 

     それからです。真島ゆかりという写真家が誕生したのは。

 

「そのレンズをのぞいて、写真を撮っていると、ものすごく集中できてね。」

 

レンズを覗くと、その瞬間、周りのすべてがシャットダウンされ、写真を撮ることに没頭するのだそうです。

 

だから、一番いい光を捉えて、景色や草木の一番いい瞬間をとらえることができるのでしょうか。

 

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ご主人を亡くした悲しみからどのように立ち直れたのですかという質問に

 

「時間かな。それに周りにとてもいい人たちがいてくれたから。」とおっしゃっていました。

 

ご主人が亡くなられてとても辛かった頃は、このまま一緒にいってしまおうかとも考えたこともあるそうです。でも、前回、今回の油やでポップアップショップを開く機会を頂いたことで、輝くような写真を撮られる写真家であり、素敵な笑顔の人であり、おいしいコーヒーを入れてくださる元気な真島ゆかりさんに会えることができました。

 

ですから、ゆかりさんにぜひ言いたいです。悲しみと一生懸命向かい合い、生きることを選択してくれて、ありがとう!と。

 

油やという場所はこういう人に会ってみたいなと思っている方に会えることができる不思議な場所なんです。

 

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最近、真島さんが新しい写真集をお出しになりました。  

   

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軽井沢に咲く可愛い草花やそこにやってくる蝶々、美しい浅間山の姿などがおさめられています。油や常駐展示の太伊留屋(タイル屋)の重谷さんが写真にぴったりあった一文を添えていて、増版されるほどの人気の写真集です。油やか、下記のHPからご購入できます。ちなみに表紙を飾っているのは真島さんが可愛がっている猫ちゃんです。犬ではありませんよ(笑)。

https://oiwake.base.shop

 

(写真)

ご自身の写真と真島ゆかりさんが撮られた写真は、ご本人から提供いただきました。

インドで今hotなカフェ〜Blue Tokai Coffee〜

早いものでインドに住み始めてからもう直ぐ一年が経とうとしています。

 

私のインドの生活はBlue Tokaiの一杯のコーヒーから始まります。

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家の近所にBlue Tokai Coffeeというカフェがあります。とてもローカルな場所にあるのですが、カフェのドアを開けるとびっくり。NYのブルックリン? いやいや、サンフランシスコ?といっても過言ではないほど、シンプルだけどとても感じのいいカフェです。

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インドのデリーにも大手コーヒーチェーンがたくさん進出してきていますが、個人的な意見を言わせていただくとBlue Tokaiのコーヒーはそれと並ぶ高品質のコーヒーを提供しているカフェだと思います。

 

インドのコーヒーの歴史

インドというと紅茶のイメージが強いですが、実はインドの南部ではコーヒー栽培の長い歴史があり、質の高いコーヒー農園がたくさんあります。

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                                                            googleより

 

インドにコーヒーが渡ったのは17世紀頃。当時、オスマントルコ帝国やヨーロッパではコーヒーはすでに人気のある飲み物になっていたため、多くの人がコーヒーを栽培したいと思っていました。その頃コーヒーはイエメンのイスラム教寺院内で栽培されており、一切持ち出し禁止でした。ところがイエメンへイスラム巡礼に行ったインド人のババ・ブーダンという僧侶が帰国の際にコーヒーの種をこっそりと持ち帰ったのです。そしてインドの南部の土地にこの種を植え、そのうちの一つから芽が出て、今にいたるとされています。

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                                         Blue Tokai Coffeeのウェブサイトより

 

RheaさんにBlue Tokaiのコーヒーについて聞いてみた

先日、創業してたった6年でインドで急成長を続けているBlue Tokai CoffeeでマーケティングをしているというRheaさんにインドのコーヒーとBlue Tokaiについてお話を伺いに

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RheaさんはBlue Tokaiで働く前は、なんとコーヒードリンカーではなかったそうです。品質の高いコーヒーが手に入りにくかったのと、毎日コーヒーを飲む必要性がなかったからとのこと。しかし、今はもちろん毎日コーヒーを飲むようになったとか。

 

Blue Tokaiの理念

Blue Tokaiの理念はとてもシンプル。お客様がBlue Tokaiのコーヒーで幸せな気分になれるように、高品質な豆を丁寧に焙煎し、新鮮でおいしいコーヒーを提供することです。そのためコーヒーに熱い情熱を抱くスタッフと農家の人々が、コーヒーの実の栽培から一杯のコーヒーを作る過程においてよりよいコーヒーを作ろうと毎日奮闘しています。

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Blue Tokai Coffeeのユニークな点は2つあります。一つ目はなんといってもスタッフのみなさんがいい感じにリラックスしていてとても親切なこと。二つ目は情報の透明化です。

 

まず、Blue Tokaiではどのような人材教育をしているのかと聞いたところ、面白い答えが帰ってきました。

「各店舗では役職の上下関係がはっきりしていて、各リーダー達がスタッフをきちんと教育しているの。それとスタッフ全員が、おいしいコーヒーでお客さんに幸せな気分になってもらいたいという目標を共有しているのよ。せっかく美味しいコーヒーを提供しても、私たちが楽しくなさそうな顔をしていたり、ピリピリしていたら、お客さんもリラックスできないでしょ。スタッフ一人一人がここでお客さんのために何ができるのかを考え、理解し、それを一生懸命やっているのよ。だから上下関係はある確かにあるけど、いい意味でリラックスした仕事場が成り立っているんだと思うわ。」と。

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           Blue Tokai Coffeeのウェブサイトより

 

RheaさんはBlue Tokaiが提供するコーヒーが世界基準に達していることはとても誇りに思うとおっしゃっていました。(私もそう思います!)ですから、Blue Tokaiのコーヒー豆やカフェで出される一杯のコーヒーがどこで、誰によって、どのように作られているかという情報を公開していくこは自然な成り行きだったそうです。さらに、Blue Tokaiのコーヒーを扱う(他の)カフェのスタッフや一般の人々に美味しいコーヒーの知識と技術を伝えていこうと、基礎から高レベルなクラスまでコーヒーについて学べるクラスが毎月行っています。

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                                          Blue Tokai Coffeeのウェブサイトより

 

Tokai Blueの社会的責任

Blue Tokaiはコーヒー農園の人々との関係をとても大切にしています。

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          Blue Tokai Coffeeのウェブサイトより

 

創業から6年間、コーヒー農園の人々へ公平な賃金を支払うことで、農園の周辺には病院、学校などが建ち、農家の人々は自分の家を持ち、子供に教育を受けさせることができるようにまでなりました。各農家では環境にも配慮しており、必要以外の木の伐採や野生動物の密猟など厳しく取り締まっています。

2017年からは収穫が行われる時期になると、Blue Tokaiのスタッフ達も農園に手伝いに行きます。農家の人々の関係も深まるし、その年のコーヒーのデキなどが理解できるからそうです。

 

おいしいコーヒーを作るコツ

Rheaさんに美味しいコーヒーを作るコツをいくつか伺いました。一番大切なのは新鮮なコーヒーを使うことだそうです。コーヒーが美味しく飲めるのは、コーヒー豆をひいてから5日〜21日以内だそうです。

また一遍にコーヒーを使い切らないのであれば、封のある入れ物や、容器などに入れて日の当たらない乾燥した場所に保存するのが一番。決して冷蔵庫でコーヒーを保管しないでとのことです。冷蔵庫に入れてしまうと、コーヒーを冷蔵庫から出し入れするたびにコーヒー豆/ひいた後のコーヒーに水滴がつきます。水滴はコーヒーにとって一番の天敵になるのだそうです。

コーヒーの入れ方については、一人一人好みが異なるため、色々な入れ方を実験してみて、一番好みの入れ方と味を発見したらそれを続けることだそうです。

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                                                             GQ Indiaより

Blue Tokaiで働いていてよかったと思うこと

最後にこの仕事をしていてよかったと思うことはとの質問にRheaさんは

「スタッフ、農園の人々をはじめ、いろんな人に出会える素敵な仕事。そして一人一人生活の状況は違っても、この一杯のコーヒーを作ることでみんなが幸せになれるなんてとても素晴らしい仕事だと思う。」と答えてくれました。

 

今回Rheaさんにお話を伺ったことで、Blue Tokaiの企業組織、理念にとても感心させられたとともに、さらにファンになってしまいました。伺ったお話についてもっともっと書きたいのですが、長くなりますのでここで終わります。

 

Blue Tokaiのコーヒーは9/27—10/8(火曜日、水曜日定休)まで、油やのポップアップショップで取り扱いますので、ぜひお越しください。皆さんとここで書ききれなかったお話ができるのを楽しみにしています。また10/5まで、油やの喫茶メニューにもいれていただきます。

 

参考サイト

https://bluetokaicoffee.com

https://www.coffee-jiten.com/knowledge/histry/world/

https://ja.wikipedia.org/wiki/コーヒーの歴史

https://www.gqindia.com/content/the-best-coffee-coming-out-of-india-right-now/#blue-tokai-new-delhi-and-mumbai%E2%80%A8

 

 

NIKE -JUST DO IT-30周年記念の広告がすばらしすぎる

NikeがJUST DO ITキャンペーンの30周年を記念し、新しい広告(Dream Crazy)にコリン・キャパニックを使用し、アメリカでは大きな話題になっています。

 

     www.youtube.com

 

 

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           NIKEの新しい広告に反対する人のSNSより

 

コリン・キャパニックはアメリカのウィスコンシン州出身のアメリカンフットボールの選手です。ポジションはクウォーターバック。

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            Colin Kaepernick Twitterより

 

アメリカンフットボールの試合前にはアメリカ合衆国の国歌斉唱とともに国旗掲揚が行われます。その際には全員起立し胸に手を当てて敬意を表します。

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               moneycnn.comより

 

ところが2016年8月26日、試合前の国歌斉唱の時、コリン・キャパニックは起立をする代わりに跪いたのです。

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              nbcnews.comより

 

理由は当時(現在でも)多くの黒人または有色人種が警察官によって不当な扱いや暴力受けたり、殺されてしまったりということが起こっており、これに対する抗議行動としてこのような態度をとったのでした。

コリン・キャバニックの行動には賛同する人も多く、それ以来、試合前の国歌斉唱に跪く選手も出てきましたし、コリンのファンもたくさん増えたといいます。これに対し、国家や競技に失礼だと反対するも多くいます。現アメリカ大統領はこういう態度をとったNFLの選手に対し、昨年、アメリカの国旗に不敬な態度をとる選手は解雇することを要求しました。

    www.youtube.com

 

私の周りにも、今まで地元チームの熱心なファンだったアメリカ人の知り合いが、純粋にNFLが見られなくなったという理由で、一切NFL (National Football League) の試合を見ることをやめたと言っていました。

 

NFLは今年の5月、国歌斉唱の際に跪く選手に対し罰則を課すか、またはそのチームに対して罰金を課すということをチームのオーナー達に通告しました。しかし、それでもその行為を続けたい選手には国歌斉唱の間、ロッカールームに滞在していてもいいという選択を与えました。(New York Times 2018年5月23日の記事より)

 

黒人、有色人種に対する警察官の不当な扱いへの抗議の発端となったコリン・キャバニックは首にはなりませんでしたが、2017年の3月以来、どのNFLチームにも雇われていません。

 

そこで、コリンを拾ったのがこのNIKEです。NIKEがJUST DO ITの 記念すべき30周年目の広告としてコリン・キャパニックを使用したのです。

 

ナレーションはコリン・キャバニックによるもので、自分の夢を叶えるために困難な状況(障害者、移民/難民、脳腫瘍があると診断された人等)にいる人々たちの闘志を奮い立たせるようなメッセージが込められています。コリンの他にもスケートボード、テニス、NFLなどで活躍している有名な選手が多く参加しています。

 

その中の一人であるレブロン・ジュームス(LeBron James)。レブロン・ジェームスは、現在、アメリカのNBAロスアンジェルスレイカーズでプレーをしている世界で最高のバスケットボールプレイヤーの一人です。

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              esmn.comyより

 

レブロンについて、コリンはこのように述べています。

   「この地球上で最高のバスケットボール選手を目指すのではなく、

               そのバスケットボール選手を超える存在になれ

 

このシーンのバックには今までレブロンがプレーをしていたオハイオ州の恵まれない環境に育つ子供達のために開校した学校が写っています。

 

さらにビデオの中でコリンは次のように語っています。

「それが犠牲を伴うのだとしても、その夢を実現できるということを信じろ。」

 

「その夢を実現するのはクレイジーなことかを問うのではなく、実現するのに十分クレイジーな夢かどうかを問うことだ。」

 

賛否両論を巻き起こすことを分かりながらもコリン・キャパニックを使い、WOW!と叫びたくなるほどのパワフルなメッセージを伝えているNIKE。非常に素晴らしい広告だと思います。

 

私たちの記憶は1ヶ月前に起こった悲惨な出来事は、次の悲惨な出来事によって消し去られていきます。この度、NIKEがコリン・キャバニックを使用した事で、再び、アメリカで黒人や有色人種が警察によって不当な扱いを受けている事を問いただす動きが生まれてくればいいと思います。アメリカに限らず、世界中で少数民族、または少数派である人にも同じようなことが起こっているのですから。

 

参考サイト:

https://ja.wikipedia.org/wiki/コリン・キャパニック

https://twitter.com/Kaepernick7?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

https://money.cnn.com/2017/10/13/media/nfl-national-anthem/index.html

https://www.nytimes.com/2018/05/23/sports/nfl-anthem-kneeling.html

Taking a knee: two years on, where does the NFL stand? - YouTube

https://www.nbcnews.com/news/nbcblk/nfl-says-issues-raised-colin-kaepernick-deserve-our-attention-action-n906431

http://clubfashionexpress.com/?p=18848

https://www.sbnation.com/nba/2018/7/30/17629560/lebron-james-i-promise-school-akron

https://www.vox.com/2018/9/4/17818222/nike-colin-kaepernick-ad

https://www.theguardian.com/sport/colin-kaepernick

https://www.postandcourier.com/sports/sc-colleges-high-schools-react-to-nike-ad-featuring-colin/article_eff4124c-b2de-11e8-bff0-c33cda0ed7eb.html

https://www.cnbc.com/2018/09/05/heres-nikes-full-ad-featuring-colin-kaepernick-and-other-athletes.html

 

  • NIKEの新しい広告に怒る人々について語るLate-Nite TVのホストたち

www.theguardian.com

 

 

 

 

 

 

自然と宇宙の力をいただきながらワイン造りを行うPares Baltlàのワイナリー

スペインのワインというとラ・リオハ(La Reoja)州のワインがとても有名ですが、今回はバルセロナから車で30分程行ったところにあるベネデスという地域のPares Baltlàワイナリーが行っているツアーに参加してきました。ラッキーなことに、この日のこの時間は夫と私の二人とガイドをしてくれたRejinaさんの3人でした。

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               ガイドのRejinaさん

 

Parès Baltlàの歴史は1790年にまで遡ります。この年、最初のブドウの苗が植えられました。現在はエレナさんとマルナさん女性二人を中心に、質の高いワインとカバ(スパークリングワイン)作っています。

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      マルタさんとバイオダイナミックワイン造りに使う雌牛の角

 

また、オーガニック/バイオダイナミック農法でワインを作っており、そこが行っているワイナリーツアーがとても面白いんです。

              

このワイナリーツアーが他と違うのは、まず、いきなりJeepに乗せられてPares Baltlàの敷地内を飛びだし、ここのワイナリーが持つ山の中にあるぶどう畑に連れて行かれるんです。

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細いガタガタの山道を入っていくのですが、頑丈な車とRejinaさんの上手な運転に安心し、これから何が見られるのかとてもワクワクします。このツアーの目的はぶどうが育つ地形、土壌、風や太陽のあたりかたなど実際に目で見ることで、それぞれ違う場所に育つぶどうの特徴をより深く理解し、それがどのようにワインに影響しているかを知ってもらいたいからだそうです。

 

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もう一つPares Baltlàワイナリーの面白いところはオーガニック/バイオダイナミック農法を行なっているところです。

 

こちらのぶどう畑ではぶどうの収穫が終わると羊たちを放牧します。放牧された羊たちは残った美味しいぶどうを食べ、そこで糞をします。その糞がぶどうにとっていい肥料になるのです。また花が咲く時期にはミツバチを放ち受粉を行ってもらいます。

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          Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

Pares Baltlàが山中に持つ畑の一つにメルローのぶどう畑があります。そこではぶどうが熟すと、いつも野生動物のイノシシや狐などが出てきて食べてしまうのだそうです。だからといって、ワイヤーで囲ったり、罠を仕掛けたはしません。「動物たちまでが食べたくなるほど美味しいぶどうなのよ」と言い放ってしまうのは驚きです。人間のためだけに自然の流れを滞らせないんですね。

 

ここまでは“ふん、ふん”と納得しながら聞いていたのです。次に、ガイドのRejinaさんが牛の角を取り出しPares Baltlàが2010年から行っているバイオダイナミック農法について説明してくれました。

 

Wikipediaによると、バイオダイナミック農法とは「天体の動きなど宇宙との関係に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行い、自然そして超自然との調和を目指す」というルドルフ・シュタイナーという方が提唱した独特な農業です。

 

バイオダイナミック農法にとって重要なのが雌牛の角。これに新鮮な糞を詰め込み、冬の間土に埋めます。半年後(農業暦)角を掘り出し、雨水を入れて時計回りに混ぜ、次に反時計回りに混ぜるというのを何回も繰り返します。そしてそれを肥料としてぶどう畑に撒くのだそうです。

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                                      Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

???とクエスチョンマークが頭の中に浮かびました。葉の剪定、受粉もすべて農業暦に従って行うそうです。しかし、バイオダイナミック農法を始めてから明らかに土壌もぶどうの木も健康になり、ワインの質も上がっているということですから、科学では説明できない何か宇宙的な大きな不思議な力が働いているでしょう。

 

2時間後Pares Baltlàのワイナリーに戻り、施設内を見学し、いよいよ試飲。

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まずは白ワインから…。

香り、味を楽しんでいると、フォックス川のそばのゴロゴロした石の土壌に育つぶどうの景色と土壌が目の前に浮かんできました。すっきりとしたミネラルな香りと味わい、ちょうど良いの酸味。さっぱりとした後味。ワインの質は十分といっていいほど高いです。

        

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   Cosmicの白ワイン(上)、フォックス川のそばのぶどう畑の土壌(下)

                                        Pares Baltlàのウェブサイトから抜粋

 

Pares Baltlàは宇宙という想像もつかない大きな世界の中で不思議なエネルギーをいただきながらワイン造りをしているワイナリーです。

 

さらに特別な経験をさせてくれたガイドのRejinaさんは「この仕事をしていると、毎日自分が無知であることに気づかされるの。だからもっともっとワインについて学びたいという思いでいっぱいになるのよ」と仕事が楽しくてしょうがないのだそうです。

Pares Baltlàで働く人々のワインへの情熱、同時に自然への畏敬の念がここのワインの味わいを一層高いものにしているのでしょう。

 

−Pares Baltlà−

https://paresbalta.com/en/vineyards/

ツアー時間:2時間半〜3時間ほど(要予約)

 

(参考ウェブサイト)

https://ja.wikipedia.org/wiki/ルドルフ・シュタイナー

https://vinepair.com/articles/biodynamic-wine-explained/ (雌牛の角と糞の写真)